リヴァプールの中盤を支える若き才能に、セリエAの2強が注目している。イングランドU-21代表のハーヴェイ・エリオットを巡り、インテルとユヴェントスが本格的な獲得競争に乗り出したと、伊『FootItalia』が報じた。
スロバキアで開催されたU-21欧州選手権で、わずか6試合で5得点を挙げたエリオットは大会MVPに選出され、欧州中のスカウトの関心を一気に集めた。その評価は日に日に高まっており、特に中盤の補強が急務となっているインテルと、攻撃の核を探すユヴェントスが熱視線を送っている。
ただし、リヴァプールでの立場は微妙だ。昨季プレミアリーグでの先発はわずか2試合にとどまり、アルネ・スロット新監督の下ではフロリアン・ヴィルツの加入により序列がさらに下がる可能性もある。クラブは完全移籍での放出を望んでおり、ローンによる放出の可能性は低いとされる。
セリエA行きの現実味と財政面の後押し
インテル・ミラノでは、サウジアラビア移籍が取り沙汰されるハカン・チャルハノールの後任として、攻撃的なプレースタイルを持つエリオットの獲得が検討されている。ルイス・エンリケやザレフスキら新戦力に加え、攻撃陣との連携も期待されており、テュラムやラウタロとの相性も視野に入れられているという。
一方ユヴェントスは、トゥドール監督が新たな戦術に適応できる中盤の司令塔を求めており、すでに獲得したニコ・ゴンサレスとともにエリオットをチームの中心に据える構想を描いている。クラブはヴラホヴィッチの売却による収入も見込んでおり、移籍金5800万ユーロを用意できる財政状況にあると伝えられる。
移籍金については、買い戻し条項を含めた場合、4600万ユーロでの移籍も可能になると報じられており、クラブ間交渉の行方が注目される。
エリオットには他にも、ニューカッスル、ブライトン、ウェストハムなどプレミアリーグ勢が関心を寄せており、特にニューカッスルはFFPの制限が緩和されたことで補強に動く可能性が高い。ただし、クラブはローンではなく売却を望んでいるため、オファー内容が大きな分岐点となりそうだ。
イングランド人選手の国外挑戦は近年増加傾向にあり、ベリンガム、サンチョ、トモリ、スモーリング、エイブラハムらが成功例として挙げられる。セリエAでも好印象を残したケースは多く、エリオットがその系譜に加わる可能性は十分にある。