ベルギーから飛び出そうとしている一人の左サイドバックが欧州中の注目を集めている。クラブ・ブルッヘに所属するマキシム・デ・カイペルは、現在23歳。ベルギー国内でのパフォーマンスが評価され、複数クラブによる争奪戦が加熱している。
その筆頭に挙げられるのが、イタリアのACミランとイングランドのブライトン。なかでもミランは、サウジアラビアのアル・ヒラル移籍が濃厚となっているテオ・エルナンデスの後釜として、デ・カイペルを最優先ターゲットに設定。イグリ・ターレ新テクニカルディレクターの下、左サイド再構築の中心に据える計画が進行中とされている。
イタリアの移籍専門記者ニコロ・スキーラによれば、ミランとデ・カイペルはすでに2029年までの長期契約で原則合意済み。2030年までの延長オプションも含まれており、選手側もミラン移籍を第一希望に掲げているという。すでに交渉が進んでいるとされるアルドン・ヤシャリと並び、ブルッヘからの“ダブル獲得”を視野に入れている可能性も示唆されている。
一方で、プレミアリーグのブライトンも静観してはいない。1800万ユーロのオファーを提示したものの、ブルッヘ側はこれを拒否。だがブライトンは引き続き関心を示しており、要求額の2000万ユーロに近い条件で再交渉に乗り出す構えを見せていると、伊『Tuttomercatoweb』が報じている。
かつてはローマも交渉に乗り出していたが、アンヘリーニョの移籍が破談になった影響でプランが一時ストップ。代わってブライトンが一気に前面に躍り出た形となった。今夏の左SB市場において、最も注目を集める存在となっているのがマキシム・デ・カイペルであることは間違いない。
ベルギー・プロリーグで活躍してきたデ・カイペルは、攻守にわたり安定したパフォーマンスを見せる左SBだ。突出したスター性こそないものの、守備力と戦術理解度には定評があり、安定感を求めるチームにとっては理想的な補強候補とも言える。
SNSでは彼の評価を巡って賛否両論が飛び交っているが、テオ・エルナンデスほどの攻撃性能は持たない一方で、堅実な守備と継続性のあるプレーに信頼を寄せる声も少なくない。高額な移籍金を要するスター選手ではないものの、コストパフォーマンスという観点からは非常に魅力的な存在として見られている。
ミランが2000万ユーロの移籍金を用意すれば、交渉は一気に加速する可能性が高い。果たしてロッソネリで新たなキャリアをスタートさせるのか、それともブライトンの執念が実を結び、プレミアリーグで新天地を迎えるのか。