インテル・ミラノで中盤の司令塔として君臨するハカン・チャルハノールに、今夏の移籍が現実味を帯びてきた。トルコ代表MFを巡る争奪戦に、マンチェスター・ユナイテッドとフラムというプレミアリーグ勢が新たに加わったと、DAZNのジャーナリストであるオラツィオ・アッコマンドが伝えた。
長らくチャルハノールの獲得に本腰を入れていたのは、母国の強豪ガラタサライだった。しかし、移籍金の面でインテルとの隔たりが大きく、交渉は停滞。そこに現れたのが、プレミア勢だ。
チャルハノールの去就が注目される背景には、インテル内部での不協和音があるとされている。FIFAクラブワールドカップでの敗退直後、キャプテンのラウタロ・マルティネスがチャルハノールのパフォーマンスに不満を示す発言を行い、これが両者の関係にヒビを入れたとの報道もある。
クラブとしてはフリーで獲得した選手を売却し、4000万ユーロ規模の移籍金を得ることはビジネス面で理にかなっており、インテル上層部はオファー次第で売却に応じる構えだと見られている。ガラタサライは最大でも1500万ユーロ程度しか用意できないとされ、この差が交渉を難航させている要因だ。
マンチェスター・ユナイテッドとフラム、イングランドからの関心
ここにきて、チャルハノールの争奪戦にマンチェスター・ユナイテッドとフラムが本格的に参戦し始めた。両クラブはすでに選手の代理人と接触を図っており、交渉の初期段階に入っているという。
ユナイテッドは中盤の補強を今夏の優先事項と位置づけており、ボールコントロールと展開力を兼ね備えたチャルハノールのようなゲームメイカータイプのMFをターゲットにしている様子。彼はすでに2025年1月にもユナイテッドの関心を引いた過去があり、再接近は不思議ではない。
一方のフラムも、マルコ・シウバ監督の下で中盤の刷新を進めており、経験値豊富な選手の補強に積極的だ。かつて在籍したジョアン・パリーニャの再獲得も検討されているが、チャルハノールはより攻撃的な役割を担える存在として高く評価されている。
なお、チャルハノールはサウジ・プロリーグからの関心には否定的であると複数のメディアが報じており、プレミアリーグでのプレーには強い関心を示していると伝えられている。
現時点でユナイテッドとフラムの動きは水面下の接触にとどまっているものの、状況次第では正式オファーが提示される可能性もある。ガラタサライとの交渉が停滞するなか、最終的な移籍先は最も高額な移籍金を支払えるクラブによって決定される公算が高い。
インテル側も、チャルハノールの放出に向けた準備を進めているとされている。来シーズン、チャルハノールがどのユニフォームを着てピッチに立つのか。彼の決断が、インテルだけでなくユナイテッドやフラム、そしてガラタサライの未来にも大きな影響を与えることになりそうだ。