すでにビッグデールも成立する今夏の移籍マーケットにおいて、アーセナルがその動きをさらに加速させている。スペインの名門レアル・マドリードに所属するブラジル代表ロドリゴに対し、ロンドンのクラブが本格的に関心を寄せていると、英『The Mirror』が報じた。
攻撃の幅を広げたいアーセナルにとって、ロドリゴの存在は大きな魅力だ。すでに現所属のガブリエル・マルティネッリを上回るクオリティを持つと評価されており、約7000万ポンドの移籍金を支払う用意があるとも伝えられている。仮にこの取引が成立すれば、アルテタ体制におけるウイングの序列が大きく変わることになる。
アルテタ監督は来季に向けて新たなストライカー獲得を優先事項としており、ヴィクトル・ギェケレシュやベンジャミン・シェシュコといった名前も取り沙汰されている。ただ、それだけにとどまらず、左サイドの攻撃力を強化する構想も持っているようだ。そこに浮上したのが、マドリードで出場機会を減らしているロドリゴの名前だった。
マルティネッリにはドイツ王者バイエルン・ミュンヘン、さらには潤沢な資金を誇るサウジアラビア勢も関心を寄せているとされ、今夏の放出も十分にあり得る。放出によって得た資金をロドリゴ獲得に充てるというシナリオは、現実味を帯びつつある。
レアル・マドリードでの序列に変化…アロンソ監督の新戦術が鍵に
かつてはレアル・マドリードの将来を担う存在として注目を集めていたロドリゴだが、クラブ内での立場は変わりつつある。現在アメリカで開催中のFIFAクラブワールドカップでは4試合中1試合しか先発出場できず、ほとんどをベンチで過ごしている。
背景にあるのは、2025-26シーズンから指揮を執るシャビ・アロンソ監督の戦術的再構築だ。エムバペ、ヴィニシウス、ベリンガム、そしてロドリゴといったビッグネームを一つの布陣に同時起用することは困難であり、どうしても誰かが外れることになる。その中で、ロドリゴが犠牲者になる可能性が高まっていると報じられている。
実際、選手サイドも現状を楽観視していない。代理人は状況を慎重に見極めようとしており、軽はずみに動くことを避けている様子だ。だが一方で、移籍を模索する可能性は日増しに強まっている。
アーセナルはこのタイミングを見逃していない。ロドリゴのような経験豊富でテクニカルなウインガーは、アルテタ監督の戦術に完璧にフィットする。プレミアリーグの厳しい戦い、そしてチャンピオンズリーグを見据える中で、選手層の充実は不可欠だ。
まだ交渉は初期段階にあるとされるが、アーセナルの本気度は日に日に増しており、今後の展開次第では大型移籍が一気に進展する可能性もある。もし実現すれば、この夏の移籍市場における最大のサプライズの一つとなるだろう。