今夏の移籍市場で中盤の強化を急ぐエヴァートンが、レスター・シティに所属するナイジェリア代表MFウィルフレッド・エンディディに正式オファーを準備していると、英『Football Insider』が報じている。
現在28歳のエンディディは、長年にわたりプレミアリーグで堅実なプレーを見せてきた守備的MFであり、これまでにも欧州の複数クラブから関心を集めてきた。今回の報道によれば、元マンチェスター・ユナイテッドのスカウト責任者であり、現在も多くのクラブと太いパイプを持つミック・ブラウン氏が、エンディディが今夏レスターを離れる意思を持っていることを明言した。
エンディディにはおよそ900万ポンドとされる契約解除条項が設定されており、リーズナブルな金額であることから、プレミアリーグやヨーロッパ各国のクラブによる争奪戦がすでに始まっている様子だ。
エヴァートンは2024年6月にも彼のフリー獲得を試みたが、当時はレスターがプレミアリーグ昇格を決めたタイミングで、エンディディ自身が契約延長を選択していた。しかし今季レスターが再びチャンピオンシップに降格したことを受け、状況は大きく変化している。
中盤の再編は、デビッド・モイーズ監督にとって急務だ。アブドゥライエ・ドゥクレが退団し、イドリッサ・グエイエとの契約交渉も予断を許さない状況が続いている。このタイミングで、プレミアリーグ経験豊富なエンディディの獲得は、エバートンにとって理にかなった動きだと言えるだろう。
ミック・ブラウン氏も「エンディディは非常に堅実な選手であり、エバートンのターゲットとして長くリストアップされていた」と語っており、同氏の発言からも今回の移籍交渉が本格化していることがうかがえる。
エバートンのスカウト陣はレスター在籍時の彼のパフォーマンスを高く評価しており、「最も優れた選手の一人」と位置づけていた。
ただし、契約解除条項が明らかになったことで、他クラブとの競争が激化するのは避けられない。ブラウン氏も「争奪戦になる可能性が高いが、エバートンはそれでも一歩先に出ようとしている」とコメントしており、モイーズ体制の初補強としてこの交渉をまとめたいという強い意志が感じられる。
また、エヴァートンではドミニク・キャルバート=ルーウィンの退団も大きなニュースとなっている。ウェストハムが同選手の獲得を検討していたが、フィットネスと年俸面で懸念を抱き、オファーを見送った。一方、ニューカッスルとフルハムは依然として関心を持っているとされ、プレミアリーグ残留の可能性は十分に残されている。
選手の入れ替えが進む中、エンディディのような経験豊富な選手を軸に据えることができれば、エバートンの来季に向けたチームづくりにも大きな前進となるはずだ。900万ポンドという現実的な価格で、この夏最大級の中盤補強を実現できるか。