新シーズンにおいて、プレミアリーグ残留を目指すリーズ・ユナイテッドだが、補強戦略の中核を担うストライカー補強で壁に直面している。
イングランドの古豪は今夏、総額1億5000万ポンドの潤沢な移籍予算を武器に、すでにセバスティアン・ボルナウとジャカ・ビヨルを獲得。さらにルーカス・ヌメチャもフリーで加えたことで、後方の整備は順調に進んでいる。
次にファルケ監督の視線は前線に注がれており、来季の得点源となるストライカーの補強は急務とされている。その最有力候補と見られていたのが、イタリア・セリエAで頭角を現したレッチェ所属のモンテネグロ代表FW、ニコラ・クルストヴィッチだ。
昨季はリーグ戦で37試合11ゴール。2シーズン通算では18ゴールを記録しており、欧州中堅クラブの間で評価が急上昇している。リーズは彼に対して具体的な関心を示していたが、ここにきて獲得が難航する可能性が浮上してきた。
クルストヴィッチはイタリア国内志向…ファルケのプランBは?
イタリアメディア『Calcio Lecce』によれば、クルストヴィッチはプレミアリーグ挑戦に慎重で、特にリーズ・ユナイテッドへの加入に関しては気が進んでいない様子。選手本人はイタリア国内でのキャリア継続を希望しており、過去に報じられていたACミランやローマといったセリエAの強豪クラブへの移籍を望んでいるとされる。
レッチェは同選手を3000万ポンド前後と評価しているが、リーズ側がこの額に見合うオファーを提示する前に、選手サイドの意向がネックとなってしまったようだ。
もっとも、クラブはクルストヴィッチに固執しているわけではない。移籍市場の最新情報に精通するグラエム・ベイリー記者は、「彼はリーズのリストに載っていたのは確かだが、優先順位の上位ではなかった」とコメント。複数のターゲットを並行して追っていることを強調した。
実際、今週に入ってもリーズは他のクラブに先を越される形でターゲットを失っている。サンダーランドが獲得したハビブ・ディアラとノア・サディキも、リーズが関心を示していた選手たちだった。
このように、ファルケ監督は移籍市場で難しい局面に直面しているものの、決してパニックに陥ってはいない。クルストヴィッチの件はあくまでその一例に過ぎず、今後も新たなターゲットとの交渉が続くとみられている。
プレミアリーグ残留・定着を狙う上で、ストライカーの補強は最大のカギとなるだけに、残された期間でいかに戦力を整えられるか。