アストン・ヴィラが次なるターゲットとして注目しているのが、トゥールーズに所属する18歳のディフェンダー、ジェイディー・カンヴォだ。フランスU-20代表として名を上げた若きセンターバックに対して、欧州の複数クラブが関心を示しているが、現時点で最も獲得に近いのがアストン・ヴィラだと仏『L’Équipe』が伝えている。
ヴィラのスカウト陣は、先日行われたモーリス・レベロ・トーナメントを現地で視察。大会を通じて存在感を放ったカンヴォに対して、早期にアプローチを開始した。将来性のみならず、すでにトップレベルでの実戦経験を積んでいる点が高く評価されている。
カンヴォは昨季、リーグ・アンで18試合に出場。センターバックと守備的ミッドフィルダーの双方をハイレベルでこなす点が大きな武器となっている。現代サッカーでは複数ポジションを高次元でプレーできる選手の価値が年々高まっており、その点で彼は理想的な補強対象といえる。
トゥールーズはカンヴォの市場価値を1700万ポンド程度と見積もっており、契約も2028年まで残っている。そのため、獲得には一定の資金が必要だが、アストン・ヴィラが本腰を入れる可能性は高い。プレミアリーグでの即戦力、さらには将来の柱としてのポテンシャルを兼ね備える存在に、投資を惜しまない構えだ。
守備再編に着手するエメリ監督…カンヴォの位置づけとは
ウナイ・エメリ監督にとって、この夏の補強の最優先事項は守備の強化である。とりわけ、エズリ・コンサに次ぐ右利きセンターバックの補強が急務。昨季はチェルシーからのローンで加入していたアクセル・ディサシがチームを離れたことで、センターの人員に不安が生じている。
エメリ監督はシーズンを通じて安定したパフォーマンスを維持するため、各ポジションに2名ずつの選手を配する方針を掲げており、その方針のもとでカンヴォの獲得が進められている。センターバックに加えて中盤もこなせる彼の柔軟性は、エメリの構想にぴったりと当てはまる。
加えて、ヴィラは右サイドバックとウィンガーの補強にも着手。中でも注目されるのが、去就が不透明なレオン・ベイリーの動向だ。サウジアラビアの複数クラブが関心を寄せており、移籍が実現すれば、新たなアタッカーの補強が求められることになる。
その一方で、内部育成も進んでおり、19歳のティエリー・カツクニャが新契約を締結。U-21チームでの実績が評価され、将来的にはトップチーム入りも視野に入っている。外部補強と内部昇格のバランスが、クラブの持続的成長を支えていく。
守備の補強を起点に、ウィンガーやSBといった他ポジションにも積極的に動く姿勢は、エメリ監督の下でチームが確実に進化を遂げている証拠だ。新シーズンに向けた陣容の再構築は着実に進んでおり、カンヴォ獲得に成功するのか。