2025-26シーズンに向けて新たなスタートを切るリバプールは、アルネ・スロット新監督の下で攻撃陣の再構築に着手している。ユルゲン・クロップのチームを引き継ぐ形でプレミアリーグを制覇し、クラブに再び栄光をもたらしたが、スロットはさらなる高みを目指し、9番タイプのストライカー獲得を最優先事項として掲げている。
そのターゲットとして急浮上しているのが、フランクフルトに所属するフランス人FWウーゴ・エキティケだ。英『CaughtOffside』によると、リバプールは22歳のエキティケをスロットの求めるプレースタイルに理想的にフィットする存在とみなし、移籍市場での動きを活発化させているという。
エキティケは2024-25シーズン、ブンデスリーガで22ゴール12アシストを記録し、攻撃的選手として確かなインパクトを残した。得点能力に加えて、ハイプレスやポストプレーにも優れ、スロットの戦術に不可欠な要素を持ち合わせている。フランクフルトはその将来性と市場価値の高騰を受け、移籍金を最大1億ユーロに設定しているとされる。
他にもアーセナル、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドといったビッグクラブが関心を寄せているが、リバプールが現時点で最も積極的に動いているクラブとみられている。エキティケ本人も、人員整理が進むまでアンフィールド行きの機会を辛抱強く待つ意向を示しているとの報道もある。
イサクやオシムヘンは高額…ヌニェスの状況が移籍戦略に影響
当初、リバプールはニューカッスルのスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサクにも注目していた。しかし、クラブ側が同選手に対して1億5000万ポンドという高額な価格を設定したことで、交渉は暗礁に乗り上げた。
一方で、ナポリのヴィクター・オシムヘンに対しては、ダルウィン・ヌニェスやフェデリコ・キエーザを含む創造的なスワップディールを提案。1700万ポンドの現金も加える形で交渉に臨んだが、ナポリはさらなる上乗せを求めているとも伝えられている。
ウルグアイ代表のヌニェスはナポリ移籍の可能性が高まっており、放出は時間の問題と見られている。そして、クラブにとって最大の悲劇は、ポルトガル代表ディオゴ・ジョッタの死去という信じ難いニュースだった。スペインで発生した交通事故により、ジョタとその兄弟が命を落とすという出来事は、チームに大きな空白をもたらした。
この状況を踏まえれば、リバプールが新たなストライカーを緊急で必要としているのは明白。クラブ内部ではすでにエキティケ獲得に向けた交渉加速の準備が整っているとされており、アーセナルとの争奪戦を制する可能性は十分にある。
22歳という若さ、そしてスロットの戦術哲学に適合するプレースタイルを考えれば、エキティケはイサクやオシムヘンよりも現実的な補強候補といえる。財政的にも、将来的なリターンを見込める存在として最もバランスの取れた選手だ。
果たして、アンフィールドはこのフランス人アタッカーを新時代の象徴として迎えることができるのか。