バーンリーの中盤を支え、今季のプレミアリーグ昇格に大きく貢献したジョシュ・ブラウンヒルに対して、MLSのトロントFCが破格のオファーを提示した。英『TBR Football』の報道によれば、その額は2000万ポンドに迫るとされ、今夏の移籍市場で最も注目される交渉のひとつとなっている。
現在フリーエージェントの立場にあるブラウンヒルは、移籍市場で最も評価の高いミッドフィールダーのひとりとして各クラブから関心を集めており、バーンリーのスコット・パーカー監督も主将慰留に全力を注いでいる。
昇格のキーマン、キャプテンとしての存在感
昨シーズン、バーンリーはリーズと勝ち点で並びながらも得失点差で下回り2位フィニッシュも、自動昇格を勝ち取った。リーグ46試合でわずか16失点という圧巻の守備は、チャンピオンシップ史上でも記録的な数字であり、その堅守の中心にいたのが守備陣を束ねる主将ブラウンヒルだった。
中盤の底から攻撃を組み立てるだけでなく、得点でもチームを牽引。18ゴールを記録し、得点王ジョエル・ピローに1ゴール差の2位に迫った。さらに6アシストを加え、44試合で合計24得点に関与するなど、プレーメーカーとしてもフィニッシャーとしても群を抜いた存在感を放った。
契約満了によりフリーとなったブラウンヒルに対し、トロントFCが本格的なアプローチを開始。クラブ幹部が本人と直接交渉するためイングランド入りしており、2000万ポンド近い条件を提示したとされる。
過去にはインシーニェやベルナルデスキらビッグネームを抱えていた同クラブだが、現在は全盛期の選手に狙いを定めた補強戦略を採用。ブラウンヒルはこの条件に合致しており、プロジェクトの中心選手としての起用が期待されているという。
一方、バーンリーのスコット・パーカー監督は慰留に躍起だ。ミルウォールとの最終節で2ゴールを挙げたブラウンヒルのパフォーマンスをプロジェクトの象徴と称え、チームのリーダーとしての存在価値を再三にわたり強調した。だが、本人は未だ新契約にはサインしておらず、クラブとしても不安な日々が続いている。
ブラウンヒルに対する関心はトロントFCだけに留まらず、プレミアリーグのクラブや、イタリア、ドイツ、トルコ、さらにはサウジアラビアからのオファーも報じられている。キャリア通算462試合出場・58ゴール・40アシストという実績を誇るベテランながら、依然として全盛期を迎えており、どのクラブにとっても即戦力となり得る存在だ。
クラブにとっては精神的支柱であり、ピッチ上でも絶大な影響力を持つ主将を失うことは痛手以外の何物でもない。一方で、キャリア後半に差しかかる中での海外挑戦という選択肢も、本人にとっては大きな意味を持つ。
今後のバーンリーの命運を左右する可能性もあるブラウンヒルの去就は、今後も注目の的になりそうだ。