今夏の移籍市場で積極的な補強に動くクリスタル・パレスが、新たなターゲットとして元ACミランの右サイドバック、ダヴィデ・カラブリアの獲得を狙っている。移籍情報に詳しいジャンルカ・ディ・マルツィオ氏の報道によれば、複数クラブによる争奪戦が続く中、イーグルスがこの競争をリードしているという。
29歳のカラブリアは、長年プレーしたACミランを今夏で退団。昨シーズンはボローニャにレンタル移籍し、クラブのコッパ・イタリア優勝やヨーロッパリーグ出場権獲得に大きく貢献した。とりわけ守備面での安定感と戦術理解度の高さが評価され、今やフリーエージェント市場における注目銘柄のひとつとなっている。
スペインからはセルタ・ビーゴ、レアル・ベティス、マジョルカといったクラブも興味を示しているが、プレミアリーグ勢の動きが加速しており、その筆頭がクリスタル・パレスとされている。
右SBに迫る補強の必要性と、カラブリアの経験値
今夏の移籍市場でクリスタル・パレスが掲げる明確な方針のひとつが、守備陣の再構築だ。ジョエル・ウォードの退団により右サイドバックの層は著しく薄くなっており、ナサニエル・クラインの年齢やカレブ・クポルハの実戦経験不足を考慮すれば、新戦力の導入は不可避となる。
このポジションにおいてカラブリアは理想的な補強と言える。ACミランで通算272試合に出場し、欧州カップ戦でも30試合以上の経験を持つベテランは、グラスナー監督が目指す戦術の中でも即戦力として機能することが期待されている。
過去にはピッチ上での熱い気性が監督との衝突を招く場面もあったが、それもまた勝利に対する意志の表れに他ならない。クリスタル・パレスにとっては、過去にプレーしたイタリア人5人に続く6人目のイタリア出身選手となる可能性もあり、クラブの歴史に新たな一歩を刻む移籍になるかもしれない。
すでにクラブは、GKウォルター・ベニテスや左SBボルナ・ソサの獲得を決めており、守備陣の強化が着実に進行中だ。一方で、エベレチ・エゼの去就が不透明な状況の中、後方の安定化は今後のチームバランスにおいて極めて重要な意味を持つ。
交渉は大詰めを迎えており、カラブリアのイングランド上陸が現実となれば、今季のクリスタル・パレスにとって最大級の補強となるだろう。