マンチェスター・ユナイテッドが今夏、チームのゴールマウスを守る守護神の交代を検討している。ここ数シーズンの不安定なパフォーマンスを受けて、クラブは新たな体制づくりに動き出している。ファンの期待を背負いながらも、アンドレ・オナナは多くの批判を浴び、クラブ内での立場が揺らいでいる。
オナナはマンチェスター・ユナイテッド加入以来、失点に直結するミスが目立ち、特に直近2シーズンで8回もの重大なエラーを犯したことがクラブの守備不安の一因となっている。昨シーズンは34試合に出場しながらもクリーンシートは9回に留まり、失点数は44。結果的にチームはプレミアリーグで15位に沈み、過去最悪の成績を記録した。
ルベン・アモリム監督は当初オナナを信頼し続けていたが、シーズン終盤にはその信頼も揺らぎ、最後の7試合中4試合をメンバーから外す決断に至った。守備の再構築は喫緊の課題となっており、英『FourFourTwo』もマンチェスター・ユナイテッドがオナナと別れを迎える可能性を指摘。彼のこれまでの実績を踏まえ、双方にとっての最善策であると示唆している。
ブラジルの新守護神候補ジョン・ヴィクトル獲得に動く
オナナに代わる新守護神として、ブラジルのボタフォゴ所属ゴールキーパーのジョン・ヴィクトルに注目が集まっている。ブラジルの大手メディア『Meia Hora』は、マンチェスター・ユナイテッドが29歳のジョンに獲得オファーを出す動きを報じた。
元ブラジルU-17GKは直近のクラブワールドカップで強豪パリ・サンジェルマン(PSG)を相手にクリーンシートを達成し、その実力は世界に証明して見せた。
ただし移籍に関してはすでに複雑な動きがある。『Meia Hora』は契約解除金を800万ドルと伝える一方、ブラジル現地メディア『FogaoNet』のジャーナリスト、ティアゴ・フランクリン氏はこの数字を否定し、実際はもっと高額だと主張。移籍金を巡る情報の錯綜は、ユナイテッドの交渉に影響を与える可能性がある。
英『FourFourTwo』はジョン・ヴィクトル獲得の可能性を支持しつつも、それがクラブの長期的な解決策になるとは限らないとも指摘。マンチェスター・ユナイテッドは歴史的に厳しい昨シーズンからの巻き返しを狙うなか、ゴールキーパーの補強においても単なる穴埋めで終わらせてはならない。数年先を見据えた構想のもとでの補強が求められている。
ルベン・アモリム監督体制で再スタートを切るユナイテッドにとって、GKは守備の安定のみならずチームの士気に直結する重要なポジションだ。オナナの去就、ジョン獲得の成否、さらには他の選択肢が浮上するのか、移籍金を巡る駆け引きとともに今夏の動向から目が離せない。