2025年夏の移籍市場が本格的に幕を開け、プレミアリーグのエヴァートンは前線の再構築に向けて動きを強めている。中でもデイヴィッド・モイーズ監督が最優先に掲げる右ウイングの補強は、今夏の注目ポイントのひとつだ。
昨季はジャック・ハリソンとイェスパー・リンドストロムがレンタルでチームに貢献したが、両選手がローン元クラブに復帰したことで右サイドは一気に人材不足となった。そんな中、クラブはビジャレアルの若手FWティエルノ・バリーを間もなく正式発表する見込みで、カルロス・アルカラスに続く今夏2人目の補強になると伝えられている。しかし、右ウイングの本格的な穴埋めはこれからが本番だ。
久保建英の獲得なるか、エバートンが仕掛ける声明的補強
英『A View From The Bullens』が伝えるところによると、エヴァートンは現在、レアル・ソシエダに所属する日本代表MF久保建英の獲得に強い関心を示している。英『TEAMtalk』もその噂を裏付けており、クラブとしても真剣な交渉の準備を進めているようだ。
24歳の久保はバルセロナの下部組織やレアル・マドリードにも所属した経歴を持ち、スペイン・ラ・リーガでは着実に地位を築いてきた。昨季は全大会通算で7ゴール4アシストと安定した成績を残しており、攻撃的なポジションならどこでもこなせる柔軟性も持ち味だ。
レアル・ソシエダは久保の評価額を約3000万ポンドに設定しており、エバートンがこの金額に応じる用意があるかどうかがカギを握る。ただ、現時点で交渉が進展しているという情報はなく、状況は静観する必要がある。
エヴァートンが注目しているのは久保のような即戦力だけではない。将来を見据えた若手選手への投資にも熱を上げており、イプスウィッチ・タウンの21歳ウインガー、オマリ・ハッチンソンの名前も浮上している。
ハッチンソンはプレミアリーグでの実戦経験に加え、イングランドU-21代表としての活躍も評価されている。降格クラブに所属しながらも昨季は3ゴール2アシストを記録し、複数のクラブからの関心を集めている。移籍金は最大3000万ポンドと見積もられており、ブレントフォードやウェストハムも獲得レースに参戦している。
さらに、ウェスト・ブロム所属の同じく21歳のウインガー、トム・フェローズも候補に挙げられている。フェローズはU-21イングランド代表として評価を高めており、今夏のターゲットとしてスカウティングが行われている。
一方で、エバートンに馴染み深いジャック・ハリソンの動向も気になるところ。リーズ・ユナイテッドからのレンタルで2シーズンを過ごしたウインガーは、モイーズ監督からも高く評価されており、選手自身もエヴァートンへの再加入を希望しているという。
リーズはすでにハリソンに対して構想外の意向を示しており、分割払いによる移籍の可能性も浮上している。ただし、仮に加入が実現したとしても、レギュラーではなく、チームメンバーとしての役割が想定される見通しだ。
久保建英のようなインパクトある補強、ハッチンソンやフェローズといった将来性への投資、そしてハリソンのような実績ある選手との再契約。多角的なアプローチで戦力強化に取り組むエヴァートンは、どのような陣容で来季を迎えるのか。