マンチェスター・シティが関心を寄せる中、ニューカッスル・ユナイテッドはティノ・リヴラメントの売却に対して明確な拒絶の姿勢を打ち出している。クラブは8000万ポンドという移籍金を設定し、実質的に“非売品”として扱っており、今夏の移籍市場で最も動向が注目される存在の一人となっている。
若き右サイドバックに寄せられる熱視線!狙うはシティ、だが道のりは険しい
22歳のリヴラメントは、昨シーズンのニューカッスルにおいて右サイドを支配するパフォーマンスを披露し、イングランドU-21代表として欧州選手権優勝にも大きく貢献。攻守両面での完成度と安定感が高く、プレミアリーグでも屈指のサイドバックとして名を挙げている。
そんなリヴラメントに関心を寄せているのが、カイル・ウォーカーの後継者を探すマンチェスター・シティだ。英『Football Insider』の報道によれば、ペップ・グアルディオラ監督が獲得を強く望んでおり、リストの最上位に位置づけられているとされる。
だが、ニューカッスルはシティの接触に対して冷淡な態度を崩していない。『Football Insider』ポッドキャストに出演した移籍専門家ピーター・オルーク氏も「シティにとって極めて困難な取引になる」と断言。同クラブはリヴラメントの放出を望んでおらず、8000万ポンドという“天文学的”な金額を提示して実質的な拒否を表明した。
ミック・ブラウン元マンチェスター・ユナイテッドのスカウトも、「ニューカッスルはリヴラメントに対してクレイジーな金額を要求している」と語っており、この金額が単なる評価額ではなく“売らないための壁”であることは明白だ。
クラブの財政も改善しており、FFPの懸念が後退した今、主力選手を安易に手放す必要はない。むしろニューカッスルは、エディー・ハウ監督の下でプレミアの上位定着と欧州カップ戦での継続的な成功を視野に入れた中長期的な戦力維持を重視している。
リヴラメントはニューカッスルの将来を担う中核的な戦力として、エディー・ハウ体制における重要なピースと位置づけられている。昨季のチャンピオンズリーグ出場権獲得をきっかけに、クラブは“売る側”から“守る側”へと立場を変えつつある。
リヴラメントの移籍金設定が示すのは、短期的な利益ではなく、長期的な競争力の維持と成長への投資という明確なビジョンだ。クラブがスター選手を引き留めることで築こうとしているのは、強豪としての土台そのものである。
ニューカッスルが今夏の市場で売らない姿勢を強く打ち出したことで、リヴラメントの去就が大きく動く可能性は低い。シティを含むビッグクラブにとって、その扉は固く閉ざされたままとなっている。