チェコ共和国から現れた新たなタレントが欧州クラブの間で話題となっている。ヴィクトリア・プルゼニに所属する攻撃的MFパヴェル・シュルツは、24歳にしてすでに完成度の高い万能型プレーメーカーとして評価を高めており、今夏の移籍が現実味を帯びている。
昨シーズン、彼は全公式戦で54試合に出場し、20ゴール15アシストと計35得点に関与。特にチェコ・ファーストリーグでは11ゴール8アシストを記録し、年間最優秀選手とベストミッドフィールダーの2冠に輝いた。
トップ下を主戦場としながらも、より低い位置でのプレーメイクやウイング的な起用にも適応可能な柔軟性を持ち、チェコ代表では既に14キャップを刻み、4ゴールを挙げている。
その圧倒的な数字と多才なプレースタイルを背景に、イングランドではプレミアリーグのボーンマスとチャンピオンシップのミドルズブラが本格的な関心を示していると、英『The Mirror』が伝えている。契約が残り1年という状況もあって、今夏中の移籍が急速に現実味を帯びつつある。
契約最終年という現実と、クラブ間の駆け引き
パヴェル・シュルツの現在の契約は2026年夏に満了を迎えるが、年明けには自由にプレ契約を結ぶことが可能となる。そのため、ヴィクトリア・プルゼニとしては今夏中の売却によって移籍金を確保する意向が強いとされる。
現時点で正式なオファーは届いていないものの、代理人サイドには既に複数クラブからの問い合わせが相次いでおり、移籍金や条件に関するヒアリングが進行中。状況はまだ初期段階で、移籍先の決定にはもう少し時間を要する見通しだが、獲得競争は完全にオープンな状態にある。
ボーンマスは、すでに大型売却により潤沢な資金を確保しており、主に守備陣の補強を進めているが、攻撃オプションの強化にも余念がない。多才なシュルツのような選手は、今後のチームビルディングにおいて貴重なピースとなりうる。
一方、ミドルズブラは今夏、ロブ・エドワーズ新監督を招聘。新体制のもとで中長期的なチーム再構築を進める中、攻撃の軸となりうる選手の獲得を模索している。パヴェル・シュルツはその理想像に極めて近い存在であり、獲得に本腰を入れる可能性は高い。
さらに、イタリアからはラツィオが継続的にスカウティングを続けているほか、ドイツやトルコのクラブも関心を示している。加えて、イングランド国内の他クラブも水面下で動いており、争奪戦はますます過熱しそうだ。
なお、ヴィクトリア・プルゼニは今月下旬にスイスのセルヴェットとのチャンピオンズリーグ予選を控えており、現在シュルツはチームとともにオーストリアでのキャンプに参加中。ただし、クラブ側は彼を来季の戦力としては見なしておらず、今夏中の移籍は避けられないとの見方が強い。
この夏、パヴェル・シュルツの去就は欧州全体の移籍市場において注目のトピックとなりそうだ。彼のポテンシャルに疑いの余地はなく、果たしてどのクラブがその才能を手に入れるのか。