ウェストハム・ユナイテッドが大型補強に向けた動きを加速させている。カギを握るのは、昨夏に加入したモハメド・クドゥスの去就だ。トッテナム・ホットスパーが5000万ポンドという巨額オファーを提示し、選手本人も移籍に前向きとされるなか、ロンドンを本拠地とする両クラブは水面下で激しい交渉を続けている。
ウェストハム側は契約解除条項に設定された8500万ポンドに近い額を要求しており、依然として隔たりが残っている。
ベルギー人ジャーナリストのサシャ・タヴォリエリ氏によれば、クドゥスが去った場合に備え、ウェストハムが新たな主軸として白羽の矢を立てているのが、アタランタに所属するナイジェリア代表フォワード、アデモラ・ルックマン。クラブはすでにルックマン獲得に向けた準備を進めており、正式なアプローチも時間の問題と見られている。
欧州制覇を演出したアタランタの英雄…ルックマンにプレミア復帰の可能性
アデモラ・ルックマンは、2023-24シーズンのUEFAヨーロッパリーグ決勝でバイエル・レバークーゼンを相手に圧巻のハットトリックを達成し、アタランタにクラブ史上初の欧州タイトルをもたらした立役者だ。
その勢いのまま2024-25シーズンを戦い抜き、公式戦40試合で20ゴール7アシストというキャリア最高の数字を記録。1年前のシーズン(2023-24)も45試合で17ゴール10アシストをマークしており、イタリアで完全に覚醒を遂げた感がある。
ルックマンの評価額はおよそ5000万ポンドとされており、ウェストハムにとっては大型補強となる。とりわけ昨季の苦しい戦いを経て、攻撃陣の刷新を模索するクラブにとって、実績と決定力を兼ね備えたこの27歳は理想的なターゲットとなる。
一方で、ルックマンにはかつてアーセナルが関心を示していた過去もあり、今夏の市場でも他クラブとの競合が避けられない。レアル・マドリードがロドリゴに注力する方針を取ったことで選択肢は限定的になりつつあるが、プレミアリーグ復帰を目指す動きが本格化すれば、争奪戦に発展する可能性も十分だ。
ウェストハムとしては、クドゥス売却で得た資金をルックマン獲得に全力投下する構えであり、交渉が一気に進展するシナリオも想定されている。
今後の市場で焦点となるのは、クドゥスの去就がいつ、どの条件で決着するかという点にある。彼の動向次第でルックマンの未来もまた大きく動くことになりそうだ。