チェルシーの若きDFジョシュ・アチャンポンに、ロンドンのライバルであるクリスタル・パレスが強い関心を寄せている。移籍市場が活発化する中、同クラブは今夏の補強リストに彼の名前を挙げ、シーズンローンでの獲得を検討しているという。英『The Telegraph』が報じた。
現在19歳のアチャンポンは、チェルシーの誇るコブハム・アカデミー出身の有望株で、主戦場は右サイドバックながら、センターバックや左サイドでもそつなくこなせるユーティリティ性が光る。
昨季はトップチームでカンファレンスリーグを中心に経験を積んだ。プレミアリーグでは先発2試合を含む4試合に出場し、ヨーロッパの舞台では安定感あるプレーを披露してきた。中でも、チュニス戦での先発出場は大きなインパクトを残し、チームの3-0の勝利に大きく貢献した。
チェルシーのエンツォ・マレスカ監督も、アチャンポンに高い評価を与えており、クラブに留めることを望んでいる。一方で、出場機会を安定して与えることが難しい現実もあり、将来性を考慮すればローンでの武者修行は選手にとっても理にかなった選択となり得る。
ロフタス=チーク、ギャラガーに続けるか?
クリスタル・パレスがアチャンポンに強い関心を示す背景には、チェルシーとの過去の成功事例がある。これまでルベン・ロフタス=チークやコナー・ギャラガー、さらにはトレヴォー・チャロバーといった若手を一時的に迎え入れ、レギュラーとして重用してきた実績がある。いずれもローン先で出場機会を得て、帰還後はチェルシーでの地位を確立したという点で共通している。
同クラブを率いるオリヴァー・グラスナー監督も、戦術的な柔軟性を求める中でアチャンポンの多才さを高く評価しており、即戦力としての起用も視野に入れているようだ。
また、昨夏にはドルトムントも正式オファーを検討していたと報じられており、3500万ポンドの評価額が移籍交渉の障壁となっていた経緯もある。チェルシーとしては完全移籍には消極的ながら、ローンによる成長を促す方針には前向きと見られており、クリスタル・パレス側との交渉が進展すれば今夏中の合意も不可能ではないだろう。
アチャンポン自身もチェルシーでの将来を強く望んでいるとされ、短期的なレンタルをキャリアアップのステップと捉えているようだ。過去の先輩たちが辿った道と同じく、パレスでの武者修行を経てブルーズの主力へと成長する可能性は十分にある。