エバートンが狙うのはジョン・マッギン、再建を託す“スコットランドの心臓”

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エバートンが狙うのはジョン・マッギン、再建を託す“スコットランドの心臓” Aston Villa

エバートンがアストン・ヴィラの中心人物、ジョン・マッギンの獲得に動いていると報じられている。スコットランド代表としても存在感を放つこの中盤の要は、デイビッド・モイーズ監督が描くチーム再建の象徴となる可能性を秘めていると、英『The Athletic』が報じた。

モイーズ監督は中盤の刷新を最優先事項に掲げており、豊富な資金力を誇るフリードキン・グループの支援を受けて積極補強に乗り出している。これまでもベンフィカのフロレンティーノ・ルイスやニューカッスルのショーン・ロングスタッフといった選手への関心が報じられてきたが、今回のターゲットはより確実性と即戦力を兼ね備えた存在。

マッギンは昨季、プレミアリーグとチャンピオンズリーグを含む公式戦で49試合に出場し、4ゴール6アシストを記録。特に欧州の舞台では3ゴール2アシストと印象的な成績を残しており、エバートンが求める質の向上を体現する選手として高く評価されている。

中盤再構築の鍵は経験と創造性、マッギンに託された期待

今夏の移籍市場でエバートンが中盤の再構築に迫られているのは、もはや疑いようのない事実だ。アブドゥライェ・ドゥクレの退団、オレル・マンガラのリヨン復帰により、チームの中心を担う人材が枯渇している。ジェームズ・ガーナーやティム・イロエグブナムといった若手は期待の星だが、昨季は怪我に悩まされ出場機会も限られた。

一方で、経験豊富なイドリッサ・ゲイェは契約延長を果たしたが、年齢的な不安がつきまとう。中盤に安定した創造性をもたらし、得点やアシストにも絡める選手の必要性が日に日に高まる中で、マッギンの名が浮上したのは必然と言える。

かつてアストン・ヴィラでウナイ・エメリ監督の下、中盤だけでなくサイドにも柔軟に対応してきたマッギンは、タクティカルな多様性を持つ数少ない存在。

だが、獲得への道は平坦ではない。アストン・ヴィラはクラブ幹部、エメリ監督ともにマッギンの慰留を希望しており、選手側に明確な移籍意思が見られない以上、交渉は困難を極めるだろう。さらに、30歳を迎えるマッギンに対し、高額な移籍金を支払う判断には慎重論もあり、フリードキン・グループの戦略的判断が試される局面となる。

それでもエバートンは、カルロス・アルカラスの完全移籍をすでにまとめ、ジャラッド・ブランスウェイトやゲイェとの契約延長も完了させるなど、着実に陣容整備を進めている。ヒル・ディッキンソン・スタジアムへの移転を控える中で、マッギンのような高水準の選手の加入は、チームに新たな推進力をもたらすはず。

エバートンがその固い扉をこじ開けることができるのか、そして新たな象徴として迎え入れることができるのか。モイーズ体制下で進むエバートンの再建は、ひとりのスコットランド人の決断に大きく左右されるかもしれない。