2022年1月にポルトから加入し、アンフィールドで5つのタイトルを手にしてきたルイス・ディアス。そのコロンビア代表ウインガーが、ついにリバプール退団の意志をクラブに伝える見通しとなった。リバプールがプレシーズン初日を迎える中、ヨーロッパの南部から衝撃のニュースが飛び込んだ。
西『Sport』によれば、ディアスは自身のキャリアにおける次のステップを強く望んでおり、今日にもクラブに対して退団の意向を正式に伝える予定とのこと。これにより、バルセロナとバイエルン・ミュンヘンによる争奪戦が激化するのは時間の問題となった。
リバプールの強気な姿勢とライバルクラブの動き
ディアスの契約は2027年まで残っており、リバプールは約8000万ユーロの移籍金を要求している。これは、同選手とクラブの間で金額次第で移籍を認めるという一定の合意があることにも起因するようだ。しかしながら、リバプールは安売りを良しとしないクラブであり、たとえ選手本人が退団を望んだとしても、納得のいくオファーが届かない限り売却には応じない構えだ。
バルセロナはこの夏、左サイド強化の最優先ターゲットとしてディアスをリストアップ。スポーツディレクターのデコとハンジ・フリック監督がその資質に惚れ込んでいるが、リバプールの要求額は同クラブの財政状況を大きく上回っており、実現は簡単ではない。現時点では、選手本人とはすでに個人合意に至っているともされているが、クラブ間の交渉は暗礁に乗り上げている。
一方、バイエルン・ミュンヘンはリバプールの要求額を支払う用意があると報じられており、バルセロナに比べて資金面でのハードルは低い。ヴァンサン・コンパニ監督はサイドアタッカーの補強を求めており、ドイツ王者が今後どのような条件を提示するかが注目される。
リバプールは今夏、ヴィルツ、フリンポン、ケルケズの3選手に対して合計1億7000万ユーロ以上の資金を投じており、さらなる補強に向けて財政的な柔軟性が必要な状況。ディアスの放出によって資金を確保し、ロドリゴ(レアル・マドリード)やアレクサンデル・イサク(ニューカッスル)といったターゲットの獲得に動く可能性も否定できない。
さらに、クラブは数日前にディオゴ・ジョッタの訃報という大きな悲劇に見舞われたばかり。喪に服す期間を経て再始動したプレシーズンで、ディアスは新戦力たちとともにチームに合流しているものの、その意志は既にアンフィールドを離れているようだ。
この夏、ルイス・ディアスを巡る駆け引きは移籍市場の中心的トピックとなりそうだ。選手の意志とクラブの姿勢、ライバルクラブの資金力と戦略が複雑に絡み合い、その結末はまだ誰にも見えていない。