RCランスに所属するセントラルミッドフィルダー、ニール・エル・アイナウイに対し、イングランドの複数クラブが関心を寄せている。24歳という若さでリーグ・アンの中核を担うまでに成長した彼の存在は、今夏の注目株として脚光を浴びている。
ナンシーのユース出身で、2023年にRCランスへと加入したニール・エル・アイナウイは、加入初年度からリーグ・アンの中盤で頭角を現した。
守備的な位置からゲームメイクと得点に絡むそのプレースタイルは、クラブ関係者やスカウト陣の注目を集めており、2024-25シーズンにはリーグ戦で24試合出場8得点を記録。ディープライイングの役割を担いながらこれだけの数字を残す選手は稀であり、攻守両面におけるバランスの良さが高く評価されている。
また、彼は元プロテニス選手ユーネス・エル・アイナウイの息子でもあり、フランス生まれながらモロッコ代表としてもユース世代でプレー経験がある。多文化的背景とピッチ上での知性を併せ持つ存在は、あらゆるリーグに適応できると見られている。
そんな中、イングランドからはプレミア昇格を狙うリーズ・ユナイテッドやサンダーランド、そしてウルヴァーハンプトン・ワンダラーズといったクラブが獲得に動いていると、仏『Foot Mercato』が報じている。
リーズが補強を急ぐ中盤 攻撃型の選手不足が顕在化
リーズ・ユナイテッドにとって、今夏の補強ポイントの一つが攻撃的な中盤であるのは明らか。昨季まで在籍していたジョー・ロズウェルがローン期間満了でチームを去り、残るミッドフィルダーはイーサン・アンパドゥ、イリア・グルエフ、田中碧といった組み立てや守備を主戦場とするタイプばかり。中盤からの飛び出しやミドルシュートといったアグレッシブなアクションが不足しており、攻撃オプションの幅が限られている。
この点で、8得点をマークしたエル・アイナウイの得点力と推進力は、リーズにとって理想的なピースといえる。攻撃と守備のバランスを維持しながらも得点を狙えるミッドフィルダーは、昇格を狙うチームにとって極めて貴重だ。
なお、サンダーランドも以前からフランス人タレントへの関心を強めており、アビブ・ディアッラやノア・サディキといった選手をターゲットにしていた経緯がある。今回もリーズとの競合は避けられず、両クラブの争奪戦は激化する可能性がある。
さらに、ウルブズだけでなく、イタリアのユヴェントス、ACミラン、ローマも獲得に乗り出している。ローマは2000万ユーロのオファーを提示したとも言われている。ただし、RCランス側は売却に慎重な姿勢を崩しておらず、交渉の行方は不透明な状況が続く。
選手本人は新天地での挑戦を望んでいるとの見方もあり、今後の動き次第では争奪戦が一気に加速する可能性もある。守備的ミッドフィルダーでありながらゴールに絡めるユニークなプレースタイルは、多くのクラブにとって補強リストの上位に名を連ねる理由となっている。
RCランスは残留を望んでいるが、本人の意思とクラブ間交渉次第では今夏中の移籍が成立する可能性も高い。果たしてイングランドに新天地を求めるのか、それともセリエAでステップアップを果たすのか。