欧州サッカーの移籍市場が本格化する中、再び脚光を浴びているのがマルコ・アセンシオ。レアル・マドリードで数々の栄光を手にしたスペイン代表アタッカーは、昨シーズンをアストン・ヴィラで過ごし、フランス王者パリ・サンジェルマン(PSG)に復帰したが、今夏での退団が現実味を帯びている。
21試合で8ゴール1アシストと印象的な数字を残したイングランドでのレンタル期間は、彼の価値を再認識させるに十分だった。しかし、ヴィラ側は来季のスカッド刷新を進めており、アセンシオの完全移籍や再ローンの可能性は低いと見られている。
なお、アストン・ヴィラはマーカス・ラッシュフォードを含めたローン選手の再獲得に消極的であり、アセンシオの復帰も今のところはなさそうとの見方が強まっている。
一方でPSGも、彼を来季の構想から外しており、今夏の売却先を模索しているという。クラブはアストン・ヴィラでの活躍を移籍金に反映させたい考えを持ち、すでに欧州の複数クラブにアセンシオを売り込み始めている。
注目の移籍先候補として名前が挙がるのは、スペインとイタリアの強豪クラブだ。特に報道が過熱しているのが、かつての宿敵バルセロナと、セリエA王者のインテル・ミラン。
バルセロナに関しては、財政状況の厳しさに加え、アセンシオが元レアル・マドリードの選手であることが障壁となっている。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は、クラブのフロントがアセンシオの能力を高く評価している一方で、内部では慎重論も強いと伝えている。
より現実的な移籍先として浮上しているのがインテル・ミランだ。イタリアの名物ジャーナリスト、アルフレド・ペドゥーラ氏によると、インテルはすでにアセンシオの代理人と接触を始めており、攻撃のバリエーションを増やす補強として具体的なプランを立てているそうだ。
イタリア紙『Gazzetta dello Sport』の報道によると、マンチェスター・シティについても売り込みがあった模様だが、ラヤン・シェルキやタイアニ・ラインデルスら即戦力のミッドフィルダー陣をj補強しており、この提案には全く関心を示していない。
9月上旬まで続く移籍市場の中で、予想外の展開が待っているかもしれない。アストン・ヴィラが土壇場で再び動く可能性も完全には否定できないが、現時点ではその兆候は見られない。
アセンシオがどのクラブを新天地に選ぶのか。プレミアリーグでも実力を示した29歳の経験豊富なMFの去就はどうなるのか。