夏の移籍市場が活況を呈するなか、バルセロナが新たなターゲット獲得に向けて本格的に動き出している。これまで左ウィングの最有力候補と目されていたニコ・ウィリアムズがアスレティック・クラブとの契約延長を選択したことで、プラン変更を余儀なくされた同クラブは、次なる選択肢としてリヴァプールのルイス・ディアスとマンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォードをリストアップしている。
バルサのスポーツディレクターを務めるデコはディアスの獲得に強い意欲を示しているものの、バイエルン・ミュンヘンも並行して動いており、価格や条件面での調整が困難とみられている。その一方で、より現実的な選択肢として急浮上しているのが、ラッシュフォードだ。
ラッシュフォードがバルサ移籍を熱望!給与カットも受け入れか
マンチェスター・ユナイテッドでのプレーに一区切りをつけたいと考えているラッシュフォードにとって、バルセロナは理想的な新天地と映っている。スペイン人ジャーナリストのマッテオ・モレット氏によると、選手本人はラ・リーガ王者であるバルセロナへの加入を強く望んでおり、他クラブからの関心には耳を貸さない姿勢を明確にしているそうだ。
このような意志の強さに加え、27歳のイングランド代表FWは現在受け取っている高額な給与の大幅な減額にも前向きとされ、これは財政的制約を抱えるバルセロナにとっては歓迎すべき材料となる。来夏の完全移籍オプション付きのローン契約が現在の交渉の軸となっており、ハンジ・フリック監督も獲得にゴーサインを出している状況だ。
ラッシュフォードのスピードと決定力は、バルセロナの攻撃陣に新たな武器をもたらすと考えられており、監督の構想にもすでに組み込まれている模様。選手の側も交渉の長期化を望んでおらず、個人条件に関しては数週間以内に合意に至る可能性が高いと見られている。
一方で、選手の意向が明確であることが、ユナイテッド側の選択肢を狭めているのも事実。クラブとしては資金確保のために売却を望むものの、強引な放出は選手との関係悪化を招きかねず、慎重な対応が求められている。こうした背景から、バルセロナが交渉を有利に進められる下地は整いつつある。
現在の戦力で左ウィングに明確な答えを持たないバルセロナにとって、ラッシュフォードのような即戦力の獲得は、シーズン前の補強プランにおいて最重要課題となっている。ディアス獲得には、リバプールが要求する金額を支払うのが難しいだけに、ラッシュフォードはスペイン行きに向かっているのか。