2024-25シーズンを締めくくったクラブ・ワールドカップでは、パリ・サンジェルマンに大敗を喫し、失意を味わったレアル・マドリード。その反省を生かし、新シーズンに向けて大きく舵を切ろうとしている。
スペイン紙『Fichajes』によると、白い巨人はリヴァプールのアルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスターに対して、1億ユーロ規模の大型オファーを準備しているようだ。今夏から指揮を執るシャビ・アロンソが獲得を熱望。彼の新体制において、マック・アリスターはピッチ中央の要、すなわち心臓として構想されている。
ルカ・モドリッチが退団。さらにダニ・セバージョスやブラヒム・ディアスらも退団の可能性が取り沙汰されているなか、中盤の刷新は避けられない課題となっている。
バイエル・レバークーゼンで見せたように、テンポの主導、スペース管理、守備と攻撃のスムーズな連携はアロンソ戦術の基盤。そうした哲学を体現できる選手として、マック・アリスターが真っ先に名前に挙がったとされている。
アルゼンチン代表としてワールドカップを制した実績を持つ彼は、今季のプレミアリーグでも49試合に出場し、7ゴール6アシストと安定した数字を残した。中盤の底からビルドアップに関与し、味方の動きを見ながらリズムを調整する能力は、経験豊富なアロンソの目にも確かに映ったのだろう。
レアル・マドリードには、ジュード・ベリンガムやフェデリコ・バルベルデ、そしてアルダ・ギュレルといったタレントが揃っているが、チームを組織する“軸”としてマック・アリスターのようなタイプの補強は不可欠。プレッシャー下でもブレないメンタリティと高いインテリジェンスを備えた26歳のMFは、アロンソ新体制の中で大きな存在感を発揮する可能性を秘めている。
移籍の実現には本人の意思が鍵か
とはいえ、獲得には障壁も存在する。レアル・マドリードが1億ユーロ超の資金を用意するには、既存戦力の整理が前提条件になるとみられている。特にロドリゴやセバージョスらの売却によって、財源の確保が急務となるだろう。
また、マック・アリスター本人の意志も無視できない要素だ。彼がレアル・マドリードからの関心を前向きに受け止めているとも伝えられており、今後の交渉次第では、選手側からクラブに移籍の希望を伝える動きもあり得るそうだ。
2023年夏にブライトンから加入したばかりとはいえ、マック・アリスターの存在はすでにリヴァプールの中核を担うものとなっている。その彼を手放すとなれば、リヴァプールにとっても再編成は避けられない。だが、レアル・マドリードが提示する金額とプロジェクト内容次第では、クラブ側も無視できないオファーとなるかもしれない。
アロンソ体制の出発点において、どの選手が中盤の中心に立つのか。マック・アリスターの去就は、ヨーロッパの移籍市場における今夏最大級の注目ポイントとなりそうだ。