2025年夏の移籍市場において、アーセナルの動きが注目を集めている。ベルギー代表ウィンガー、レアンドロ・トロサールの売却が現実味を帯び、同時に新たな攻撃陣の再構築が水面下で進行していると報じられている。
英『The Times』は、アーセナルが30歳のトロサール放出に前向きであり、その背景にはチェルシーのノニ・マドゥエケ獲得が関係していると報道。さらに、クリスタル・パレス所属のエベレチ・エゼ獲得に向けた準備も進んでいるとされ、クラブの編成方針に大きな転換が見られる。
2023年にブライトンから加入し、2年半で公式戦124試合に出場、28ゴール23アシストの成績を残したトロサール。昨季も10ゴール10アシストを記録し、攻撃面で重要な役割を担ってきた。しかし、アーセナルは現在、フェネルバフチェとの間で約2000万ポンドの移籍金交渉を進めているとされ、すでに個人条件で合意したとの報道もある。
一方で、クラブはノニ・マドゥエケを5200万ポンドで獲得する動きを強めており、これが実現すればトロサールの役割は限定的になる可能性がある。マドゥエケは昨季こそチェルシーでインパクトを残し切れなかったが、スピードとドリブルを武器に大きな成長を見せており、ブカヨ・サカのバックアップとしても理想的な選手と評価されている。
世代交代と財政バランスの両面を見据えたこの動きは、アルテタ監督の構想を映し出すものとなっている。トロサール放出は単なる人員整理ではなく、新たなアタッカーを迎え入れるための布石とも捉えられる。
エベレチ・エゼ獲得へ本格始動、スワップディールの可能性も
マドゥエケの加入に続いて、アーセナルが本気で狙っているとされるのが、クリスタル・パレスに所属するイングランド代表MFエベレチ・エゼ。攻撃的ミッドフィールダーとして創造性とゴールへの意識を兼ね備えた25歳は、アルテタ体制の中核を担うポテンシャルを秘めている。
ただし、エゼの契約には6800万ポンドの契約解除条項が含まれており、パレス側もこの金額以下での売却には応じない姿勢を貫いている。
そのため、アーセナルは交渉を円滑に進めるため、選手を含めたスワップディールを検討中とされる。なかでも、ディフェンダーのベン・ホワイトが交換要員として候補に挙がっているとの報道も。
攻撃陣の再編を急ぐアーセナルにとって、マドゥエケとエゼという2人のタレントは、来季のタイトル争いに向けて重要なピースとなるだろう。アルテタ監督は若手の起用に積極的なスタンスを取りつつ、経験値とのバランスを保ったスカッド構成を追求している。今夏の動きは、その長期戦略の一環として進められているに違いない。
トロサールの去就が確定すれば、エゼへの正式オファーが一気に進展する可能性もある。今後のクラブ間交渉と選手側の動向に注目が集まる。