ロンドンの2強による“場外戦”が、移籍市場の終盤で急展開を迎えている。18歳のイーサン・ヌワネリを巡る動きが活発化する中、チェルシーがアーセナルとの間で獲得合意に至った可能性が浮上した。
英国内で注目されてきたこの取引は、当初アーセナル側の強硬な拒否によって封じられていた。『FootballTransfers』によれば、ガナーズは同選手を売却する意思は全くないとし、チェルシー側の接触に対しても一貫して交渉拒否の姿勢を崩さなかった。
チェルシーはこの夏、すでにケパ・アリサバラガとノニ・マドゥエケの2選手を巡ってアーセナルと複数回にわたり接触しており、その過程でヌワネリの話題も取り上げられていたとされる。
しかし、事態は静かに動いた。ファブリツィオ・ロマーノ氏の情報によれば、チェルシーはヌワネリに対して巨額の契約オファーを準備していたことが確認されており、契約交渉の停滞を背景に獲得に本腰を入れ始めていた。
その一方で、アーセナルも簡単には譲歩しなかった。クラブはミケル・アルテタ監督の下で、ヌワネリに継続的な出場機会と将来的な主軸としての地位を約束したとされ、実際に今週に入ってからも契約延長に向けた交渉が継続されている。
ロマーノ氏によると、テクニカルディレクターのアンドレア・ベルタも含めた交渉陣は、選手の将来に確信を抱いており、残留に自信を見せていた。
急浮上する“合意”報道…交渉決裂から一転の展開か
『FootballTransfers』が速報として報道した内容には、「チェルシー、ヌワネリ獲得で合意」の文字が踊った。仮にこの新情報が事実であれば、数時間前まで残留が確実と見られていた状況が180度覆されたことを意味する。
現在、イーサン・ヌワネリの推定移籍市場価値は7430万ユーロに達しており、潜在的には8190万ユーロにも及ぶとされる。『FootballTransfers』による独自のデータに基づくものだが、それでも彼が将来のイングランド代表を担うと見なされていることに疑いの余地はない。
アーセナルで育ち、10代でプレミアリーグデビューを果たした逸材が、本当に青いユニフォームに袖を通すことになるのか。あるいは、土壇場でアーセナルが逆転の延長合意に漕ぎ着けるのか。今回のケースは、移籍市場がいかに流動的で、最後の最後まで油断がならないものであるかを象徴している。
イーサン・ヌワネリにとって出場機会の減少は懸念材料。チームのエース、ブカヨ・サカの存在は仕方ないにしても、アーセナルはチェルシーFWノニ・マドゥエケも加わり、18歳のウィンガーにどの程度プレー時間が担保されるかは不透明。
果たしてイングランド国内でも将来が嘱望されるタレントの未来はどこにあるのか。