プレミアリーグの夏の移籍市場が本格化するなか、トッテナム・ホットスパーが次なる中盤の核を模索している。すでにウェストハムからモハメド・クドゥスを迎え入れ、さらにノッティンガム・フォレストのモーガン・ギブス=ホワイトとも契約合意に達したと報じられているが、クラブの補強はまだ終わらない。
イタリア・セリエAの名門ユヴェントスに所属するブラジル代表MFドウグラス・ルイスが、スパーズの新たなターゲットとして浮上している。英『TBR Football』によれば、ルイス自身が今夏のトッテナム行きを熱望しており、代理人が積極的に交渉を進めているようだ。
27歳のルイスはアストン・ヴィラ在籍時にプレミアリーグで存在感を放ち、当時のチームメイトだったジョン・マクギンからは高く評価されていた実力者。彼にとってイングランド復帰は、キャリアの再起をかけた重要な一歩となる。ユヴェントスでは放出候補になっており、来年のワールドカップ出場を見据えるうえでも、レギュラーとしてプレーできる環境が必要とされている。
トーマス・フランク体制下での中盤再編、カギを握るドウグラス・ルイス
トッテナムの指揮を執るのは、今季から新たに就任したトーマス・フランク。中盤の強化を喫緊の課題としており、ドウグラス・ルイスはその中心候補に挙げられている。守備力、ビルドアップ、得点力を兼ね備える万能型ミッドフィルダーは、フランクの多様な戦術に柔軟に対応できる人材とみなされている。
ファブリツィオ・ロマーノ氏もルイスの名前を取り上げ、トッテナムが本格的にミッドフィルダー獲得へ動く可能性を指摘している。また、かつてトッテナムでスポーツディレクターを務め、現在もユヴェントスと強いパイプを持つファビオ・パラティチ氏が、水面下でルイス移籍の橋渡しをしているとの情報もある。
一方で、スパーズがリストアップしている中盤のターゲットはルイスだけではない。バイエルン・ミュンヘンに所属する元フラムのジョアン・パリーニャや、クリスタル・パレスで急成長中の21歳アダム・ウォートンも選択肢に含まれている。だが、パリーニャは高額な給与がネックとされ、ウォートンはパレス側が放出を拒む構えを見せており、交渉のハードルは高い。
その点、ルイスは費用対効果に優れたオプションとして評価されており、約3000万〜3500万ユーロとされる移籍金も、トッテナムにとって手が届かない水準ではない。
加えて、ユヴェントス側はスパーズのMFイヴ・ビスマに関心を持っているとも伝えられており、スワップディールによる取引成立の可能性も浮上している。
プレミアリーグで再び輝きを取り戻したいというルイスの意志と、フランク体制で野心的なプロジェクトを進めるトッテナムの補強戦略が一致すれば、今夏の注目すべき移籍のひとつになることは間違いなさそうだ。