アンドレ・オナナの去就が不透明なままのマンチェスター・ユナイテッドが新たなゴールキーパーの補強に動いている。そのターゲットとして急浮上しているのが、ベルギー1部ロイヤル・アントワープに所属する22歳の守護神セネ・ラメンスだ。
ベルギー代表歴も持つ同選手は、188cmの長身と反射神経を武器に昨シーズンのアントワープで主力としてプレー。クラブのスポーティングディレクターであるマルク・オーフェルマルスは、かねてより彼への国外クラブからの関心が強いことを明かしていたが、この夏その動きが現実味を帯びてきている。
ユナイテッドが新守護神の確保に本腰を入れている背景には、既存のゴールキーパー陣への不安がある。ルベン・アモリム監督からの正GKアンドレ・オナナへの信頼は揺らいでおり、プレミアリーグ開幕戦の出場も危ぶまれている。さらに、控えのアルタイ・バユンドゥルも信頼を得ているとは言い難く、緊急補強の必要性が高まっている。
そのような状況でラメンスの名前が補強候補リストに加えられたことは、決して驚きではない。若さと実戦経験を兼ね備えた彼は、万全とは言えない現GK陣の中で即戦力としても、将来の正GK候補としても理想的な存在と映る。
一方のアントワープは、すでにラメンスの退団を見据えた動きを見せている。今夏、日本人GKの野澤大志ブランドンを獲得しており、これはクラブが近い将来のゴールマウスを託す新戦力を確保したことを意味する。ラメンスが移籍に向けてステップアップを模索している状況で、クラブの対応は実にスムーズだ。
現在、ラメンスには複数のクラブが関心を示しているが、特に熱心なのがマンチェスター・ユナイテッドだとされている。移籍交渉がどこまで進展しているかは不明だが、状況次第では開幕前に一気に話が動く可能性もある。
守護神問題に揺れ、アストン・ヴィラGKエミリアーノ・マルティネスら様々なターゲットをリストアップするユナイテッドにとって、ラメンスは候補のひとり。果たして、若き指揮官率いる名門クラブは、どのような決断を下すに至るのか。
守護神問題に揺れるユナイテッドにとって、ラメンスの獲得は単なる補強以上の意味を持つ。競争と安定をもたらすキーマンとして、その動向から目が離せない。