ここ数年、移籍市場での立ち回りが批判を浴びてきたマンチェスター・ユナイテッド。幾度となく高額補強に踏み切るも、成果が見合わないケースが続いてきた。その中で、来年度に向けた中長期的なプランの一環として、再び具体的なターゲットに浮上しているのがエヴァートンのセンターバック、ジャラッド・ブランスウェイトだ。
英『Daily Mail』が伝えたところによれば、ユナイテッドは昨夏、2度にわたりオファーを提示していたが、当時はエヴァートンが即座に拒否。ショーン・ダイチ前監督のもとで急成長を遂げた若きCBは、将来を嘱望される存在として手放せないと見なされていた。
しかし、状況は静かに変わりつつある。2025年7月に新たな5年契約を結んだブランスウェイトには、2026年から発効するリリース条項が含まれており、その金額は7000万ポンドに設定されている。
エヴァートンの主力として存在感を放つ22歳にとっても、キャリアの次なるステップを見据える上で大きな転機となる可能性がある。
左利きのCBという希少価値、リーダー候補としての期待も
ブランスウェイトの魅力は、単なる若さや将来性だけにとどまらない。190cm超の体格を活かした空中戦の強さに加え、冷静なビルドアップ能力、そして左利きという希少性も備えている。現代フットボールにおいて、後方からの配球の質は守備者にも求められる重要な資質となっており、彼はその点でも高い評価を得ている。
ユナイテッドの現状を見ると、センターバックにはリサンドロ・マルティネス、ハリー・マグワイア、マタイス・デ・リフト、レニー・ヨロらが控えており、層は薄くない。
しかし、長期的なリーダー候補としてブランスウェイトのようなタイプを加えることは、将来的な守備陣の再編において大きな意味を持つ。
問題は、2026年にリリース条項が発効すれば、競合クラブが一斉に動くことになる点。その中でユナイテッドが頭一つ抜け出すためには、ピッチ内外での環境整備が欠かせない。とりわけ、今季のチャンピオンズリーグ出場権の確保は、選手側にとって重要な判断材料となるはずだ。
プレミアリーグで経験を積み、将来のイングランド代表入りも期待される逸材を巡る争奪戦は、今後ますます注目を集めることになるだろう。