リバプールの守備を支えるイブラヒマ・コナテに、欧州のビッグクラブが本格的なアプローチを開始した。フランス代表CBを巡って名乗りを上げたのは、レアル・マドリードとパリ・サンジェルマン。欧州を代表する2つのクラブが、今夏のマーケットで激しく競り合っている。
RBライプツィヒからリバプールに加わったのは2021年のこと。当初はフィジカルの強さと空中戦での支配力が注目されたが、ここ数年でポジショニングやビルドアップ能力にも磨きがかかり、ヨーロッパでもトップクラスのディフェンダーへと成長した。
西『Fichajes』によると、レアル・マドリードは既にコナテ獲得に向けて4300万ポンド前後の移籍金を準備している模様。同クラブはアントニオ・リュディガーやダヴィド・アラバらベテランDFのに代わる最終ラインの刷新が急務となっており、若く即戦力となるセンターバックの補強が喫緊の課題だ。
母国クラブのPSGが本格参戦か
ただし、スペインの白い巨人にとって事態は簡単ではない。PSGがこの争奪戦に突然介入してきたと報じている。パリのクラブは、レアルのオファー内容を上回る条件を用意し、サラリーだけでなく選手のキャリア形成や代表選への影響まで視野に入れた包括的なパッケージを提示しているという。
PSGは国内リーグでの圧倒的な地位に甘んじることなく、欧州制覇を真剣に狙っており、ディフェンスラインにおける強化はその重要な一手と見ている。しかも、フランス代表選手を自国に呼び戻すという側面からも、クラブのブランディングに直結する案件となっている。
コナテ自身はまだ沈黙を保っているが、両クラブとの交渉が並行して進んでいることは確実。今後、リバプールとの契約状況やクラブの意思も含め、複数のファクターが決断に影響を与えそうだ。
リバプールとしても、コナテを引き止めたい思いがある一方で、契約期間が残り1年という状況を鑑みれば、今夏の売却で利益を確保するのも現実的な選択肢になり得る。クラブはすでに後任候補としてクリスタル・パレスのマルク・グエイに注目しており、動向を慎重に見極めている最中だという。
果たして、イブラヒマ・コナテはどのユニフォームに袖を通すのか。今後の展開次第では、リバプールの守備陣のみならず、欧州サッカーの勢力図にも変化をもたらす可能性がある。