クリスタル・パレスに所属するジャン=フィリップ・マテタが、この夏の移籍市場で注目株となっている。フランスメディア『Foot Mercato』が報じたところによれば、プレミアリーグ王者リヴァプールはすでに選手側と直接面会を果たしており、本格的な獲得交渉へと歩みを進めているという。
28歳のマテタは昨季、公式戦46試合に出場して17得点4アシストを記録。得点能力に加え、屈強なフィジカルとゴール前での鋭い反応力を備えており、アンフィールドの攻撃陣に新たな選択肢を加える存在として注目を集めるのも当然だ。
リヴァプールは昨季のタイトル奪還に満足することなく、すでに来季へ向けた戦力再構築を加速させている。マテタの獲得は、ディオゴ・ジョッタの訃報やダルウィン・ヌニェスの不透明な去就を踏まえれば、オプションになるのは普通な流れだろう。
一方で、クリスタル・パレスがこの交渉を容易に受け入れる気配はない。来季のヨーロッパカンファレンスリーグ出場権を手にしたクラブにとって、主力ストライカーの流出は極力避けたいところだ。移籍金は最大6000万ユーロに達する可能性があるとされ、クラブ側が高額な評価を下していることがうかがえる。
さらに、イタリアの名門ACミランも争奪戦に加わりつつある。ミランは来季の欧州復帰を目指して前線の強化を急いでいる。プレミアリーグとセリエA、ふたつのビッグクラブが交錯するこの状況は、今後の移籍金相場にも影響を与えるだろう。
マテタは2027年までパレスとの契約を残しており、現時点では去就は見えない。しかし、欧州カップ戦を目指すクラブと、プレミア王者、そして再建を期すセリエAの名門が交錯するこの争奪戦は、今夏の移籍市場のハイライトになりそうだ。