2024-25シーズンに向けて移籍市場が慌ただしさを増すなか、ポルトガル代表の若手アタッカー、フランシスコ・コンセイソンを巡る動きが注目を集めている。昨季はセリエAのユヴェントスで期限付き移籍ながら印象的なパフォーマンスを披露し、すでに多くのクラブが彼の獲得に関心を寄せている。
とりわけ驚きだったのは、イングランド・プレミアリーグのエヴァートンが大胆なアプローチに打って出たことだ。ポルトガル紙『A Bola』によれば、エヴァートンはFCポルトが設定している3000万ユーロのリリース条項を全額支払うことに同意したようだ。
デイビッド・モイーズ監督のもとでクラブ再建の真っ只中にあるエヴァートンにとって、この金額は決して軽いものではなく、それだけクラブ側が本腰を入れていたことを示している。
しかし、肝心のコンセイソン本人がこのオファーを断固として拒否したとされる。ユヴェントスでの時間が彼にとってどれほど特別なものであったかは、インテル戦での得点やウディネーゼ戦での存在感からも明らかだ。
FCポルトは一切譲らず…ユヴェントスとの交渉は難航
フランシスコ・コンセイソンの移籍を巡っては、クラブ側の立場も強硬だ。FCポルトはリリース条項に記された3000万ユーロから一歩も引かない姿勢を貫いており、再びのレンタル案すら受け入れるつもりはないという。
さらに交渉を難しくしているのが、リリース条項が数日後には4500万ユーロへと引き上げられるというタイムリミットの存在だ。この変更が交渉の緊張感を一気に高めているのは間違いない。
一方で、ユヴェントス側は依然として慎重な姿勢を崩していない。報道によれば、これまでに2200万〜2500万ユーロのオファーを提示しており、ポルト側の要求には届いていない状態が続いている。このままでは交渉は進展しないとの見解を示しており、事態は膠着状態にある。
それでも希望が完全に潰えたわけではない。ユヴェントスは2500万ユーロにボーナスを加える形での条件提示を進めており、ポルトとの溝を埋めるための打開策として注目される。昨季のレンタル費用1000万ユーロも含めれば、ユヴェントスが同選手に投資している金額はすでに相当なものになっている。
トリノでのプレーを熱望するコンセイソンの意志、強気な交渉姿勢を崩さないFCポルト、そして慎重ながらも歩み寄りを図るユヴェントス。それぞれの立場が複雑に絡み合うこの移籍劇は、今まさに最終局面を迎えつつある。