ルベン・アモリム監督のもとで再スタートを切ったマンチェスター・ユナイテッドは、着々と新シーズンに向けた準備を進めている。中でも注目を集めているのが、アモリムが重視するウイングバックの補強だ。
アモリムがスポルティング時代から貫く3-4-3システムは、両翼の幅とスピードを最大限に活かすスタイル。ユナイテッドが今年1月にデンマーク人DFパトリック・ドルグをレッチェから獲得した背景にも、すでにその意図がにじんでいた。
攻撃陣の強化に注力していた今夏のユナイテッドだが、次なるターゲットとして浮上しているのがブライトン所属のペルビス・エストゥピニャンだ。ベン・ジェイコブス氏によれば、ユナイテッドはエストゥピニャンに対してすでに選手サイドとの交渉をスタートさせており、明確な関心を抱いているという。
エストゥピニャンに高まる評価!獲得には競争も
27歳のエクアドル代表は、左サイドからの推進力と高精度のクロスで知られ、ブライトンでは安定したパフォーマンスを続けてきた。その能力は、アモリムのシステムにおいても即戦力としてフィットすると見られている。
ただし、現時点でユナイテッドはブライトンとのクラブ間交渉には踏み込んでおらず、獲得に向けた動きはあくまで初期段階にある。一方のブライトンは、クラブ・ブルージュから左SBマキシム・デ・カイペルをすでに補強済み。これにより、エストゥピニャンの売却に一定の柔軟性を見せている。
とはいえ、ユナイテッドにとってこの移籍が最優先事項であるかは微妙な状況だ。現在は、ブレントフォードFWブライアン・ムベウモとの交渉を進めているほか、補強資金を捻出するための放出計画も進行中。
中でも、セルティックが関心を示しているタイレル・マラシアの売却に向け、要求額を引き下げたとされる。左SBの枠に動きがあれば、エストゥピニャン獲得も一気に現実味を帯びる可能性がある。
さらに、ACミランも左サイドの補強を検討しており、エストゥピニャンをテオ・エルナンデスの後任候補と見なしていると報じられており、争奪戦に発展する可能性は十分ある。
いずれにせよ、ユナイテッドの補強戦略はアモリム体制の色を色濃く反映しつつあり、特定のポジションにピンポイントで手を打っている印象だ。果たしてエストゥピニャンがオールド・トラッフォードにやってくるのか。