2024年夏、フラムからバイエルン・ミュンヘンに渡ったポルトガル代表MFジョアン・パリーニャ。しかし、加入から1年が経過した今、彼の将来に再び移籍の可能性が浮上している。プレミアリーグで存在感を放ったこの守備的MFは、今もなおイングランド勢からの関心を集めており、その中でもアーセナルの動きに注目が集まっている。
独『Bild』によれば、アーセナルは昨年すでにパリーニャ獲得へ向けた具体的なアプローチを行っていたとされる。マルティン・スビメンディ獲得も選択肢に含めながら、プレミアリーグで実績のあるパリーニャを「補強リストの上位」に置いていたことが明らかとなっている。
フラム時代に築いた評価は今もなお健在であり、アーセナルにとって中盤のバランスを保つうえで、パリーニャは理想的なピースとなり得る。現時点でロンドンのクラブは攻撃陣の強化に軸足を置いているが、シーズンが進む中で中盤の補強ニーズが再燃すれば、パリーニャの名前が再び取り沙汰される可能性は高い。
放出容認の姿勢を見せるバイエルン、2600万ポンドの値札とクラブ間の駆け引き
バイエルンにとって、パリーニャの状況はやや複雑だ。本人はドイツに留まる意志を示しているが、ヴィンセント・コンパニ監督の構想において、出場機会が保証されているとは言い難い。中盤にはすでに多くの選手がひしめいており、放出がクラブの補強資金確保につながるという現実もある。
ドイツの移籍専門ジャーナリストであるクリスティアン・ファルクが『CFBayern』に語ったところによれば、バイエルンはパリーニャの売却によって約2600万ポンドの資金調達が可能だと見込んでおり、金額面での折り合いさえつけば移籍は現実のものになる可能性があるという。
この価格は現在の市場において割安とも言える水準であり、補強を模索するプレミアリーグ勢にとっては非常に魅力的な条件だ。もしバイエルンが早期にパリーニャを手放す決断を下すことになれば、アーセナルが再び動きを見せる可能性は高まるだろう。
一方で、イングランドだけでなく、インテル・ミラノをはじめとするセリエAの強豪も水面下で動いていると報じられており、争奪戦が本格化する可能性もある。スペインやトルコ、ポルトガルのクラブも動向を追っているとの報道がある中、プレミアリーグ復帰はパリーニャにとって再びスポットライトを浴びるチャンスとも言える。
マンチェスター・ユナイテッドの名前も過去に浮上しており、今後の展開によっては複数のクラブが争奪戦に加わる構図が見えてくる。
守備力、ポジショニング、球際の強さ。どれを取ってもプレミアリーグにフィットする資質を備えたパリーニャは、今夏のマーケットにおいて見逃せない存在。アーセナルをはじめとする強豪クラブが、いつどのタイミングで本格的な交渉に乗り出すのか。移籍市場の終盤に向けて、パリーニャの去就はどうなるのか。