リバプールの今夏の補強戦略が、いよいよクライマックスを迎えようとしている。アルネ・スロット監督の下で攻撃陣の再構築を進めるクラブは、複数のストライカー候補をリストアップしてきたが、その中でも注目を集めたジャン=フィリップ・マテタへの関心がここにきて後退した。
英『Football Insider』の報道によれば、リバプールは先週パリにてマテタの代理人と接触していたものの、交渉に大きな進展はなく、現時点で獲得に動く可能性は低いようだ。同メディアのシニア特派員ピート・オルーク氏も、ポッドキャスト内で「マテタはリバプールの優先リスト上位にはいない」とコメントしている。
マテタは昨季、全コンペティションで17ゴールを挙げ、FAカップではマンチェスター・シティ撃破にも貢献。クリスタル・パレスのグラスナー体制下で重要な役割を担っており、クラブ側も放出には慎重な姿勢を見せている。
ただし、代理人がリバプールとの接触を意図的に外部へ伝えた背景には、ACミランやマンチェスター・ユナイテッドといった他クラブへの売り込みを狙う動きがあると、オルーク氏は分析している。
一方、マテタへの関心が後退するのと同時に、リバプールはウーゴ・エキティケ獲得を内定させた。マージーサイドのクラブはエキティケに対して最大で7800万ポンドに及ぶオファーを提示したとされ、現在はアドオンの詳細条件を巡る交渉が進行中。
スロット監督は、今夏の移籍市場で積極的な動きを見せており、攻撃陣の刷新を急いでいる。即戦力となる若きストライカーの獲得は、新体制の軸となるピースになり得る。また、退団濃厚なダルウィン・ヌニェスに対応した形だ。
エキティケが加入すれば、スロット体制下での新たな攻撃陣が形を成し、リバプールの前線に新たなダイナミズムが生まれるだろう。ブンデスリーガでは高い得点力を示したフランス人ストライカーは、プレミアリーグの舞台でもその実力を証明できるのだろうか…?