今季のプレミアリーグでも粘り強さを見せたフラムが、新たな補強に向けて着実な動きを見せている。狙いは、リーグ・ドゥへと降格したモンペリエに所属するGKバンジャマン・ルコント。34歳という年齢ながらも安定感に定評があり、経験豊富な守護神として注目を集めている。
フランスのBertrand Queneutte記者が伝えたところによれば、フラムはすでにルコントとの契約締結に向けて大詰めの交渉を進めており、現地時間の月曜日にもロンドン入りしてメディカルチェックを受ける見通しのようだ。
フラムは現在、ベルント・レノを絶対的な守護神として据えているが、プレミアリーグの長丁場を戦ううえで、信頼できるバックアップの存在は欠かせない。今回の補強はその穴を埋める現実的かつ計算された動きと見られている。
ルコントはこれまでにフランスU-21代表に選出され、A代表にもディディエ・デシャン監督から招集経験を持つなど、実績には事欠かない。今回の移籍は移籍金50万ユーロという内容で合意に達しており、契約はスムーズに完了するとみられている。
降格のモンペリエ、主力流出と再編に直面
一方で、モンペリエにとっては大きな戦力ダウンとなる。クラブ創設50周年の節目に、リーグ・アンでの低迷により無念の降格を喫した同クラブ。今夏は財政再建とチーム再構築の両面で、動きの激しい移籍市場を過ごすことになる。
ルコントはモンペリエの中でも高額サラリーを受け取る選手のひとりとされており、クラブにとっても財政的な負担軽減は避けて通れないテーマだった。2027年までの契約が残っていたものの、今回の放出はある意味で既定路線だったとも言える。
後釜探しにもすでに動きが出ており、カナダのモントリオールに所属するジョナサン・シロワを最優先ターゲットとしてリストアップしていると報じられている。モンペリエは今季、リーグ・ドゥでの即時昇格を狙う構えで、ゴールキーパーのポジションは最優先補強ポイントになる見込み。
今回のルコント退団をきっかけにモンペリエの移籍戦略が一気に動き出すと伝えており、今後数週間で複数の移籍報道が飛び交う可能性が高い。
プレミアリーグでの戦いを続けるフラムにとっては、リスクを抑えた質の高い補強となりそうだ。一方、モンペリエは限られた資金の中でいかにチームを再構築するか、勝負の夏が続いていく。