スペインで躍動を続ける日本代表の攻撃的ミッドフィルダーに対して、ついにイングランドから正式な動きが出てきたようだ。英『TEAMtalk』によると、プレミアリーグのエヴァートンがレアル・ソシエダに所属する久保建英の獲得に向けて、すでに代理人サイドおよびクラブ側と水面下でコンタクトを取ったようだ。
昨季のエヴァートンは、残留争いのなかで多くの課題を露呈させた。特にウィングの選手層が薄く、ジャック・ハリソンとイェスパー・リンドストロムの両選手がレンタル期間を終えて復帰したことで、右サイドの戦力確保はクラブにとって最優先課題とされている。デビッド・モイーズ監督も、このポジションに即戦力を求めており、その理想的な候補として浮上したのが久保だった。
同選手は24歳ながら、すでにラ・リーガで確かな地位を築いており、攻守における貢献度とインテリジェンスの高さが評価されている。昨季は52試合で7ゴール4アシストを記録。これに加えて、ヨーロッパリーグの舞台でも存在感を発揮した。
高まる関心と移籍金のハードル
久保は2022年にレアル・マドリードからレアル・ソシエダへ完全移籍し、契約期間は2029年まで残されている。しかし、当時の契約にはマドリード側が将来的な売却益の50%を得る条項が含まれており、ソシエダとしては安易に放出できる状況ではない。
クラブ側は最低でも4000万ユーロのオファーが提示されなければ交渉に応じない姿勢を示しているという。ただし、契約に設定された6000万ユーロのリリース条項を満額支払わなければならない可能性は低く、金額次第では妥協点が見出される可能性もある。
久保に対しては、同じくラ・リーガの他クラブやブンデスリーガの複数チームも関心を寄せており、これまでも幾度となくプレミアリーグからの関心が報じられてきたが、英国内で最も具体的なアプローチを進めているのがエヴァートンのようだ。
モイーズ監督は、久保がスタメンに即座に組み込まれるレベルの選手であると見ており、彼の加入がチーム力を一気に押し上げる起爆剤になると期待しているという。
一方で、クラブは久保だけに依存するわけではなく、イングランドU-21代表のトム・フェローズやオマリ・ハッチンソンなど若手のタレントにも目を向けているが、久保が最優先のターゲットであることに変わりはない。
本人も以前からプレミアリーグ挑戦に強い意欲を見せてきた経緯があり、この夏がその夢を現実のものとするチャンスとなるかもしれない。日本国内のみならず、世界中のファンがその行方に注目している。