リヴァプールやサウジアラビアから熱烈な視線を向けられ、この夏の移籍市場においても最も話題性のあるニューカッスル・ユナイテッドに所属するアレクサンデル・イサク。2022年にレアル・ソシエダからクラブ史上最高額の移籍金で加入したスウェーデン代表FWは、ここにきて新たな契約延長に向けて大きなハードルを突きつけている。
英『talkSPORT』によれば、イサク側が提示した新契約の条件には週給30万ポンドが含まれており、これはニューカッスルの現在の給与体系を根本から揺るがしかねない水準だという。現行契約は2028年6月まで残っているものの、クラブが将来的な移籍リスクを回避したい場合、今のうちに延長合意を取り付けたい意向。
一方、イサクを狙うクラブも動き始めている。リヴァプールが水面下で接触しており、ニューカッスルが売却に応じる姿勢を見せた場合、巨額のオファーを用意しているという。また、サウジアラビアの複数クラブも高い関心を寄せているとされる。
こうした状況下でも、エディ・ハウ監督とクラブ経営陣の方針は一貫している。ハウ監督はイサクの残留を強く希望しており、プレシーズン中もその意向を明確に示している。最近行われたセルティックとの親善試合ではイサクを起用せず、自宅での調整を指示。これは選手本人の心身のコンディションを最優先するための措置だったと伝えられている。
プレシーズン合流で今後の交渉はどう動くのか
セルティック戦には帯同しなかったイサクだが、アジアでのプレシーズンツアーには合流予定となっている。ニューカッスルは今週末、シンガポールでアーセナルと対戦し、その後は韓国に移動してKリーグ選抜やトッテナムと試合を行う。さらにスペイン勢とのテストマッチも控えており、クラブとしてはこのツアー期間中に選手の士気とチームの完成度を高めたい意図がある。
プレシーズンはイサクにとって、今一度その存在感をアピールする絶好の舞台となる。週給30万ポンドという巨額要求は、そのプレーぶりと貢献度によって正当化される可能性もある。
ニューカッスルにとって、イサクは得点源以上の存在となっている。若くして経験豊富、しかもプレミアリーグへの適応も済ませており、トップレベルのクラブが狙うのも不思議ではない。とはいえ、財政規律を重んじるクラブ方針と、選手側の経済的希望の溝が埋まるかどうかは依然不透明なままだ。
プレミアリーグの新シーズン開幕まで1カ月を切った中、イサクの契約問題はクラブにとって最も重要な懸案事項となっている。高額オファーを断固拒否する姿勢を崩さないニューカッスルが、この夏の移籍市場でその決意を貫き通せるのか。それとも、選手の要求に歩み寄るかたちで新たな合意に達するのか。