今夏のプレミアリーグ移籍市場に、思わぬ波紋が広がっている。英『TBR Football』によれば、トッテナム・ホットスパーがマンチェスター・ユナイテッドの逸材ミッドフィルダー、コビー・メイヌーに対して正式な照会を行ったようだ。
ユナイテッドとメイヌーは1年以上にわたり新契約の交渉を続けているが、依然として合意に至っておらず、ノースロンドンのクラブがこの状況を利用しようと動き出した格好だ。
20歳のメイヌーは、オールド・トラフォードで2027年までの契約を結んでおり、クラブ側には1年の延長オプションもある。本人はユナイテッド残留を望んでいるとされるが、交渉が長引くなかで将来への不安は募る一方。
特に昨季は負傷による欠場もあり、プレミアリーグでの先発出場は24試合にとどまった。来年にはワールドカップも控えており、定期的な出場機会を得られるかどうかが今後のキャリアに直結する。
加えて、ルベン・アモリム新監督のもとで中盤の競争は激化している。ブルーノ・フェルナンデス、カゼミーロ、マヌエル・ウガルテといった面々に加え、クリスティアン・エリクセン退団で空いた穴や世代交代を進めるため、ユナイテッドはさらに中盤の補強を検討中。
実際、チェルシーも数年前からメイヌーに強い関心を示しており、今夏の動き次第ではトッテナムとともに獲得レースに本格参戦する可能性がある。同メディアは、ユナイテッドが新契約に合意できない場合、メイヌーがこの夏に売却される選択肢も現実的であると指摘している。
パリーニャとルイスもリスト入り…トッテナムの補強戦略が浮き彫りに
トッテナムが狙うのはメイヌーだけではない。クラブは中盤の補強に向けて複数の候補をリストアップしており、バイエルン・ミュンヘンMFジョアン・パリーニャとユヴェントスMFドウグラス・ルイスがその筆頭に挙がっている。
パリーニャはかつてフラムで印象的なパフォーマンスを披露し、今もロンドン復帰に前向きとされている。バイエルンは3000万ポンドの移籍金を要求しているが、トッテナム側は年齢と契約状況を踏まえ、2000万ポンド前後を上限に据えている模様。
一方でダグラス・ルイスはユヴェントスで出場機会に恵まれず、プレミアリーグ復帰に強い関心を抱いている。
数値に違和感がある箇所もあるが、方向性としてはルイスがより攻撃的でパスワークに長け、パリーニャが守備的なインターセプト型ミッドフィルダーであることは明白だ。トーマス・フランク監督が目指す中盤のスタイルによって、選手の選定も変わってくるだろう。
移籍市場の終盤に差し掛かり、各クラブの戦略はますます明確になりつつある。ユナイテッドの契約交渉の遅れが新たな移籍ドミノを引き起こすか、そしてトッテナムがどのミッドフィルダーに最終決断を下すのか。