今夏の移籍市場において、注目銘柄のひとりに数えられるのがRBライプツィヒに所属するオランダ代表MFシャビ・シモンズ。英『talkSPORT』によれば、チェルシーはこの22歳を巡る獲得レースで最初の正式オファーに向けた準備を進めており、個人合意の成立も間近と報じられている。
ただし、チェルシーにとって決して楽な道のりではない。バイエルン・ミュンヘン、そしてプレミアリーグのライバルであるアーセナルもまた、シモンズに熱視線を送っている。本人はイングランドでのプレーを望んでいるとされており、これが交渉の後押しになる可能性もあるが、各クラブの出方次第では移籍先が変わる展開もあり得る。
RBライプツィヒで公式戦76試合21得点という実績を誇るシモンズは、中央だけでなく左右のサイドにも柔軟に対応できる攻撃的MF。複数ポジションを高いレベルでこなす万能性は、選手層のバランスを重視するチェルシーにとって格好の人材だ。
移籍金は6000万ポンドを下回る可能性もあり、英独のビッグクラブが争奪戦を繰り広げるのも当然の流れといえる。
ちなみに、今年1月にPSGからライプツィヒに加入した際の合意額は7000万ポンドと伝えられているが、その多くが未払いであることを指摘しており、クラブ側が柔軟な売却姿勢を取る一因になっているようだ。
攻守両面で活発な動き…マレスカ体制の本気度が浮き彫りに
チェルシーが注目しているのはシモンズだけではない。マレスカ監督の下で攻撃陣の再編が急務とされており、ジョアン・ペドロやリアム・デラップ、ジェイミー・バイノー=ギッテンスらを相次いで獲得してきた。
一方、守備陣の補強も着実に進行中だ。アヤックスに所属する19歳DFヨレル・ハトとは個人条件で基本合意に達しており、現在はクラブ間の移籍金交渉に入っている段階。CBとLBの両方をこなせるハトの獲得は、アトレティコ・マドリード行きが濃厚なヴェイガの穴を埋める狙いもある。
アヤックスは1月時点で6000万ポンド近い評価をつけていたものの、チェルシー側は3500万〜4500万ポンドでの合意を模索している模様。若手重視の方針を掲げるマレスカ政権にとって、こうした柔軟性のある補強は将来的な布石とも言える。
移籍市場は複雑な駆け引きと情報戦が入り混じる舞台。その中でチェルシーは、シモンズのようなトップタレントを確保することで、次なるチーム構築に向けた確かな一歩を刻もうとしている。
ヨーロッパの列強が繰り広げるハイレベルな競争の果てに、この若き才能はどのユニフォームに袖を通すのか。まだまだ結末は見えてこない。