アストン・ヴィラが大きな決断を下した。英『Telegraph』によれば、マンチェスター・ユナイテッドがアプローチしたとされるイングランド代表FWオリー・ワトキンスに対して、ヴィラは即座に拒絶の意思を示したという。
ユナイテッドが求めるのは、即戦力となるセンターフォワード。これまでに何人ものストライカーに接触してきたが、ワトキンスが優先リストの上位にいたとされる。しかし、アストン・ヴィラのクラブ首脳陣は、どのような条件であっても同選手を手放す意思はなく、完全な非売品として扱っている。
ワトキンスは昨季、公式戦53試合に出場し27ゴール13アシストという圧巻の成績を記録。エースとしての存在感は明確であり、指揮官ウナイ・エメリのチーム構想においても不可欠な選手とされる。クラブとしては、来季のヨーロッパリーグ出場に備えた戦力維持が優先されており、ユナイテッドからの関心は一蹴された格好だ。
なお、ユナイテッドが6000万ポンドに及ぶ移籍金を視野に入れていたと報じており、それほどの高額オファーですら動かせないほど、ヴィラ側の決意は固い。
ワトキンス封鎖が映す両クラブの現在地と未来図
今回のオファー拒否は、アストン・ヴィラが中堅クラブの枠を超え、強豪としてのステータスを築きつつあることの象徴だろう。単なる資金力やブランドではなく、クラブの一貫したビジョンに基づいた判断がなされている。
一方のマンチェスター・ユナイテッドは、長年続く得点力不足を解消すべく、経験豊富なストライカーを求めて模索を続けている。ラズムス・ホイルンドらに代わるストライカー必要としているのは明白だ。しかし、ユナイテッドの再建は道半ば。仮に豊富な資金を用意できたとしても、選手やクラブ側が描く将来像と一致しなければ、獲得には至らない。
アストン・ヴィラはワトキンスというキーピースを手放すことなく、欧州での成功を目指すシーズンに挑む構えだ。ユナイテッドは次なるターゲットを探し、得点力の強化を続けるしかない。