昨シーズンにはアーセナルにレンタル移籍していたチェルシー所属のイングランド代表FWラヒーム・スターリングを巡り、欧州の2クラブが獲得に本腰を入れている。バイエル・レバークーゼンとユヴェントスが水面下で本格的な動きを見せており、この夏の移籍市場で最も注目すべき争奪戦の一つとして注目されている。
ベン・ジェイコブズ氏によると、レバークーゼンは主力フローリアン・ヴィルツの退団を受け、攻撃陣の再編を急務としており、30歳となったスターリングをその穴埋め候補にリストアップ。昨季限りでレアル・マドリードに去ったシャビ・アロンソ前監督の後任に就いたエリック・テン・ハフ新監督の意向も重なり、獲得に向けた交渉を加速させている。
一方のユヴェントスも、昨季セリエAで4位に終わるなど苦しいシーズンを過ごした。指揮官の交代もあり、イゴール・トゥドール監督が新たにチームを率いる中、攻撃陣にさらなる個の打開力を求めており、スターリングの獲得が補強リストの最上位にある。また、ユヴェントスがスターリング側とすでにコンタクトを取ったと報じらている。
チェルシーは今夏のスカッド刷新を進めており、エンツォ・マレスカ監督の構想から外れている選手の売却を進めている。スターリングもその一人であり、契約を2年残しながらも移籍金2000万ポンドでの放出に前向きな姿勢を見せている。
スピードと経験の象徴…スターリングの価値と行き先は
マンチェスター・シティ時代にはプレミアリーグ優勝やチャンピオンズリーグファイナル進出に貢献し、イングランド代表としても長く主力を担ったスターリング。しかしチェルシー加入後はチーム状況の不安定さもあり、本来の輝きを放つことはできなかった。
昨季アーセナルで過ごすも、28試合で1ゴール5アシストと低調なパフォーマンスに終始。全体的にはスピードも衰え、キャリアの終盤に近づている印象も強い。ただ、カウンター時の推進力や守備陣の間を割る動きは健在であり、ピッチ内での影響力は依然として高い。
両クラブに共通するのは、サイドで違いを生み出せる選手を必要としている点だ。レバークーゼンはヴィルツの代役として、ユヴェントスは攻撃の新たな軸として、それぞれスターリングに白羽の矢を立てている。
現時点で移籍先は未定だが、両クラブともに移籍金の捻出には一定の工夫が求められる。交渉次第では、オプション付きの買い取り義務ローンといった条件付き契約も選択肢となりそうだ。