イサク退団騒動に揺れるニューカッスル、クラブは決断の時を迎える

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イサク退団騒動に揺れるニューカッスル、クラブは決断の時を迎える Newcastle United

スウェーデン代表FWアレクサンデル・イサクが退団を希望していると、英『The i Paper』が報じた。ニューカッスル・ユナイテッドのエースが放出を求めているとの報道は、プレミアリーグの移籍市場に一石を投じる形となっている。

クラブは、アジアで行われているプレシーズンツアーからイサクを除外した理由について、大腿部の負傷と説明しているが、実際には本人の移籍志願が背景にあるという。新契約の打診にも応じる様子はなく、現状に対する不満が蓄積していると理解されている。

特に注目されているのが、リヴァプールからの関心だ。同紙によれば、イサクの代理人はサウジアラビアのクラブからも巨額オファーが届く可能性を示唆したものの、イサク本人はプレミアリーグ残留を希望しているという。経済的な利益よりも競技面を優先する姿勢は、彼のキャリアに対する真剣な姿勢を表している。

クラブ側は、今夏の放出を否定しつつも、水面下で代替案の準備を進めている。RBライプツィヒに所属するスロベニア代表ベンヤミン・シェシュコに対する関心が再燃。また、ブレントフォードのヨアネ・ウィサにも注目しており、移籍金3000万ポンドでの交渉が進行中だと報じられている。

移籍市場での苦戦、浮かび上がる組織的課題

今夏のニューカッスルは、補強において思うような成果を得られていない。フランス人FWウーゴ・エキティケ、ブラジル人FWジョアン・ペドロ、さらには若手DFディーン・ハイセンや攻撃的MFブライアン・ムベウモといったターゲットを次々と他クラブに奪われ、移籍戦略の不透明さが浮き彫りになっている。

こうした背景には、フロントの体制にも不安がある。ディレクター・オブ・フットボールのポジションは空席のままで、元レンジャーズのロス・ウィルソンが有力候補として浮上している。一方、CEOのダレン・エールズは長い通知期間の中で業務を続けており、迅速な意思決定が難しい状況にある。

さらに、クラブのオーナーであるPIF(Public Investment Fund)にとっても、今回のイサク問題は大きな試金石となる。彼らがどのような判断を下すかによって、ニューカッスルの今後数年の運命が左右されることは間違いない。

現在のイサクの市場価値は約1億3000万ポンドと見積もられており、その放出はチームの戦力低下のみならず、クラブの姿勢や野心にも疑問符を付けかねない。エディ・ハウ監督は事態を慎重に見守っているが、代役を見つけるにも限界があり、内部的には緊急対策が急務となっている。

プレミアリーグの2024-25シーズン開幕を前に、ニューカッスルは重大な岐路に立たされている。イサクを引き留めるのか、それとも放出して大金を手にし、未来に投資するのか。答えを誤れば、取り返しのつかない転落が待ち受けているかもしれない。