アダマ・トラオレに白羽の矢!ノッティンガム・フォレストのヌーノ監督が再結成を画策

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アダマ・トラオレに白羽の矢!ノッティンガム・フォレストのヌーノ監督が再結成を画策 Nottingham Forest

あの日の光景を、ノッティンガム・フォレストのファンは今も忘れていないはずだ。2025年2月、シティ・グラウンドにフラムを迎えた試合で、ピッチを支配したのはエミール・スミス・ロウでも、アンドレアス・ペレイラでもなかった。スタジアム全体をざわつかせたのは、29歳のスプリンター、アダマ・トラオレだった。

その日、トラオレはネコ・ウィリアムズを翻弄し、鋭い縦突破からスミス・ロウのゴールを演出。フォレストにとっては苦い記憶だが、現在の指揮官ヌーノ・エスピリト・サントにとっては、あのプレーこそが「再会」を決断させる理由となった。

『ESPN』の報道によれば、ノッティンガム・フォレストは今夏の移籍市場でアダマ・トラオレの獲得を本格的に検討しており、その最優先ターゲットと見なしているという。現在のフォレストは、ジョタ・シウバの去就が不透明であり、すでにアンソニー・エランガとラモン・ソーサを失っている。

専任のウィンガーはカラム・ハドソン=オドイとジョタ・シルヴァの2人しか残っておらず、ジョシュ・ボウラーも移籍が見込まれている状況。ヌーノ監督はワイドのポジションに“深み”を求めており、それに応えうるのがトラオレなのだ。

ヌーノとトラオレは、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ時代に共に戦った間柄。2018年から3シーズンにわたって師弟関係を築いた両者は、プレミアリーグにおける“カウンターの美学”を体現してきた。

特に2019-20シーズンには、トラオレはプレミアリーグで9アシスト、4ゴールという自己最高の成績を記録。特筆すべきは、そのうちの6アシストがラウール・ヒメネスとのホットラインから生まれている点だ。ライン際を切り裂くドリブルからの高速クロスは、フォレストの攻撃に新たな次元を加える可能性を秘めている。

29歳ウィンガーの現在地と、フォレストにもたらす戦術的インパクト

昨シーズン、アダマ・トラオレはフラムでリーグ戦36試合に出場し、2ゴールを記録。数字だけを見れば控えめな印象を受けるかもしれないが、実際にはその多くが途中出場であり、限られた時間で違いを生み出すスーパーサブとしての役割を担っていた。

フォレストにとって重要なのは、単なるスタッツ以上に、トラオレの「相手を押し下げる力」だ。スプリント回数、1対1の成功数、前進距離といった指標において、彼は依然としてリーグトップレベルにある。ボールを持った瞬間に観客が沸く、あの特別な存在感は、フォレストのようなカウンター志向のチームにとって、まさに喉から手が出るほど欲しいピースである。

ヌーノ監督は今夏、ボタフォゴからイゴール・ジェズスとジャイール・クーニャというブラジル人若手を獲得しているが、ウィングの厚みという観点ではまだ物足りない。ボローニャのエンドイェもリストアップされているが、即戦力として期待でき、しかも戦術理解が不要なトラオレの方が優先順位は高い。

現在、フォレストはポルトガルでプレシーズン合宿中。今夜にはフラムとの親善試合が控えており、皮肉にもトラオレとの「直接対決」が予定されている。すでにチェスターフィールド戦、モナコ戦と連続でスコアレスに終わっているだけに、この一戦はウィンガー不足の深刻さを示す試金石となるだろう。

プレミアリーグ開幕まで残された時間は少ない。8月17日にはブレントフォードとの初戦が控えるなか、ヌーノ監督は信頼できる駒をどうしても加えたいはずだ。

トラオレ自身も、フラムでの立ち位置に満足しているとは言い難く、「いくつかの選択肢を検討している」と報じられている。アダマ・トラオレが放つ縦へのエネルギーは、ヌーノ監督のもとで再び火を吹くのか。