ヴィニシウスとの契約交渉が難航…ペレス会長が狙う “エムバペ×ハーランド” の夢のペア

スポンサーリンク
ヴィニシウスとの契約交渉が難航…ペレス会長が狙う “エムバペ×ハーランド” の夢のペア Manchester City

レアル・マドリードは今、静かだが不確かな未来を包み込まれている。ヴィニシウス・ジュニオールとの契約更新交渉が難航し、クラブ内外に波紋を広げている。事態がさらに複雑なのは、この交渉が単なるサラリー交渉にとどまらず、将来的な攻撃陣の構成、さらにはアーリング・ハーランド獲得という壮大な青写真にも直結している点だ。

ピッチの外で進むこの攻防戦は、欧州サッカー界の注目を集めつつある。サンティアゴ・ベルナベウの空気は、すでに緊張感に包まれている。

難航する契約延長とクラブの沈黙

ヴィニシウス・ジュニオールは、レアル・マドリードの未来を担う存在として、これまで揺るぎない地位を築いてきた。卓越したドリブル、縦への推進力、そして試合を決定づけるゴールへの嗅覚は、特に2023-24シーズンのチャンピオンズリーグ制覇で改めて証明された。にもかかわらず、彼の契約更新交渉は、予想をはるかに超える難航を見せている。

当初こそスムーズに進むと見られていた交渉が、現在ではクラブ内で最も意見の分かれる難題に変貌しているという。ヴィニシウス側は、キリアン・エムバペと同水準の年俸に加え、極めて高額な契約更新ボーナスを要求。その水準は、給与総額で年間5000万ユーロ以上に達する可能性すらあると報じられている。

一方、クラブ側はこの要求に対して気が進んでおらず、交渉は保留状態のまま。2027年まで契約が残っているものの、レアル・マドリードがこのままの状態を放置するとは考えにくい。

さらに状況を複雑にしているのが、サウジアラビアからの関心だ。未だ公式オファーこそないものの、ヴィニシウスに対して年俸10億ユーロ、移籍金3億5000万ユーロという前代未聞のパッケージが検討されているという。これが現実味を帯びれば、いかにクラブがスター選手の保持に執着していようとも、経済的合理性を無視することはできない。

ハーランド構想とペレス会長の野望

こうした状況の裏で、フロレンティーノ・ペレス会長はすでに次なる一手を用意している。注目されているのが、マンチェスター・シティに所属するノルウェー代表ストライカー、アーリング・ハーランドの存在。

スペイン紙『Mundo Deportivo』が伝えるところによれば、ペレス会長はすでにハーランドをヴィニシウス放出時の理想的な後継者としてリストアップ済み。さらに彼は、かねてより夢見てきた「エムバペ × ハーランド」という前線デュオの構想を、現実の戦略として進めつつある。

ハーランドは2023-24シーズンのプレミアリーグで27得点を記録。昨シーズンも22得点を挙げており、対人でも空中戦でも無類の強さを誇るフィニッシャーは、エムバペと対照的なプレースタイルを持ちながらも、互いの持ち味を殺さない共存が期待されている。

もちろん、シティとの契約解除金の有無やタイミング、そして選手自身の希望といった要素は依然として障壁として存在する。しかしペレス会長は、その障壁を乗り越える覚悟とリソースを持っている。

今季の移籍市場におけるレアル・マドリードの動きは静かだったが、それは決して停滞ではない。むしろ、ペレス会長はこの沈黙の中で、クラブの攻撃陣を10年先まで見据えた再構築に着手している。

ヴィニシウス・ジュニオールの去就は、レアル・マドリードの現在と未来を同時に揺るがす問題だ。クラブは現状維持を理想としながらも、現実的な戦略オプションとして売却と再投資を見据えている。その裏側では、サウジからの破格のオファーと、ハーランドという新たな象徴を巡る野心が交差している。

この物語の結末は、ヴィニシウスが休暇から戻る今夏中盤以降に訪れることになるだろう。交渉の再開が合意への道となるか、あるいはベルナベウを去る第一歩となるのか。