オールド・トラッフォードの夏空に、新たな希望の光が差し込んでいる。ベンヤミン・シェシュコという名のスロベニアの至宝が、マンチェスター・ユナイテッドの赤いユニフォームに袖を通す日が現実味を帯びてきた。
スポーツジャーナリストのベン・ジェイコブ氏が報じたところによると、RBライプツィヒのストライカー、ベンヤミン・シェシュコがユナイテッドの最優先ターゲットとして浮上し、クラブは移籍条件について初期段階の協議を開始している。
22歳のシェシュコは今夏、欧州各地のビッグクラブから熱烈な求愛を受けている。アーセナルが一時期本命視されていたものの、交渉は頓挫。その隙を突くように、ユナイテッドが積極的なアプローチを仕掛けている。
RBライプツィヒのストライカーは約7000万ポンドの移籍金で獲得可能とされ、ライプツィヒ側も適切なオファーがあれば移籍を認める姿勢を示している。
注目すべきは、シェシュコ自身の意志だ。来シーズンのユナイテッドはヨーロッパリーグへの出場権すら獲得できていないが、それでも彼はオールド・トラッフォードでのプレーを強く望んでいるという。
シェシュコが示すユナイテッドへの忠誠心
プレミアリーグでプレーする多くの選手にとって、チャンピオンズリーグ出場権は移籍先を決める重要な要素だ。しかし、シェシュコは違うようだ。CL出場権を持つニューカッスル・ユナイテッドも同様に熱心な関心を示しているが、マンチェスター・ユナイテッドがRBライプツィヒにベンヤミン・シェシュコ争奪戦でリードしている。
シェシュコの移籍を巡る状況は複雑だ。ライプツィヒは当初、固定費7500万ユーロにアドオンを加えた条件を提示していたが、ライプツィヒは固定費7500万ユーロに加え、追加費用や売却条項も要求しており、移籍金総額は8000万ユーロを超えると言われ巨額な投資になるが、ユナイテッドはその価値があると判断している。
彼の魅力は数字にも表れている。ライプツィヒ加入後の2シーズンで公式戦86試合に出場し、39ゴール8アシストという印象的な記録を残している。特に昨季は43試合で21ゴール6アシストを記録し、その契約解除金は8000万ユーロを突破したと報じるメディアも登場している。
ユナイテッドが描く新たな攻撃戦術
ルベン・アモリムが指揮を執るユナイテッドにとって、シェシュコの獲得は確実に前線の強化に繋がる。現在のユナイテッドはラスムス・ホイルンドという若きタレントを擁しているが、チーム全体の得点力不足は深刻な問題となっている。シェシュコの加入により、アモリムは3-4-2-1システムでより柔軟な攻撃オプションを手に入れることになる。
シェシュコの特徴は、ゴールゲッターだけにとどまらない。ザルツブルク時代から培った高いプレス耐性と、広いピッチを使った動きでディフェンスラインを押し下げる能力は、ユナイテッドの攻撃に新たな次元をもたらすだろう。特に、カウンターアタックからの決定機創出において、彼は存在感を発揮する。
ニューカッスルとの競争についても興味深い展開を見せている。マギーズは財政的な余裕があり、チャンピオンズリーグ出場の可能性も残されているが、若きストライカーは伝統のあるユナイテッド移籍を好んでいると報じている。
移籍市場における駆け引きはまだ続くだろう。ライプツィヒは賢明な交渉者として知られ、グヴァルディオルをマンチェスター・シティに9000万ユーロで売却した実績もある。しかし、シェシュコ本人の意志が明確になった今、交渉の主導権はユナイテッド側に移りつつある。
アモリム体制下での新たなユナイテッドに、スロベニアの新星が加われば、オールド・トラッフォードには再び勝利への期待が満ちることになるだろう。