クリスティアーノ・ロナウドとの黄金コンビ復活を夢見るアル・ナスルにとって、現実は甘くなかった。マンチェスター・ユナイテッドのキャプテン、ブルーノ・フェルナンデスは再びサウジアラビアからの熱烈なアプローチを一蹴した。
ベルギー人ジャーナリストのサシャ・タヴォリエリが報じたところによると、30歳のポルトガル代表MFは、アル・ナスルからのオファーをきっぱりと拒否している。アル・ヒラルに続き、またしてもサウジアラビアの名門クラブから断られる結果となった。これは単なる条件面での不一致ではない。フェルナンデスにとって、現在のマンチェスター・ユナイテッドでの戦いこそが最優先事項なのだ。
❌🟡🔵 Same as Al Hilal Football Club, Bruno Fernandes has rejected again the possibility to join Saudi Pro League despite Al Nassr approach with Portugese string links inside the club. As a reminder, Fernandes decided to stay in Manchester United. #mercato #MUFC pic.twitter.com/4mQ1Vntu4f
— Sacha Tavolieri (@sachatavolieri) August 1, 2025
ジョルジェ・ジェズス監督の壮大な構想と現実のギャップ
新たにアル・ナスルの指揮官に就任したジョルジェ・ジェズス監督は、この夏の移籍市場でブルーノ・フェルナンデス獲得を最重要ミッションに掲げている。ポルトガル人指揮官の頭の中には、既にクリスティアーノ・ロナウドとジョアン・フェリックスを擁するスター軍団に、かつてスポルティングで指導したフェルナンデスを加える壮大な絵図が描かれていた。
2017-18シーズン、ジェズス監督はスポルティングCPでフェルナンデスを指導した経験を持つ。この師弟関係こそが、アル・ナスルにとって最大の切り札だったはずだ。しかし、過去の絆だけでは現在のフェルナンデスの心を動かすには不十分だった。
アル・ナスル側はロナウドの存在が説得材料になると踏んでいた。確かに、ポルトガル代表でのチームメイトであり、互いを深く理解し合う両選手の共演は、戦術的にも商業的にも大きなインパクトを与えるだろう。だが、フェルナンデスの選択は明確だった。彼にとって、オールド・トラッフォードでの未完の使命がサウジでの新天地よりも重要なのである。
マンチェスター・ユナイテッドのキャプテンが示した揺るぎない意志
ジョルジェ・ジェズス監督はブルーノ・フェルナンデスとの再会を熱望し、アル・ナスルはマンチェスター・ユナイテッドに巨額のオファーを準備していた。金銭面での条件は決して悪いものではないはずだ。サウジアラビアのクラブが提示する報酬は、往々にしてヨーロッパの基準を大きく上回る。
それでもフェルナンデスが拒否を続ける理由は明らか。彼は2020年1月にマンチェスター・ユナイテッドに加入して以来、一貫してクラブの顔として君臨してきた。特に今シーズンは新体制の下でキャプテンマークを巻き、チームの再建に全力で取り組んでいる最中である。プレミアリーグという世界最高峰の舞台で、まだ成し遂げたい目標があるのだ。
ジョアン・フェリックスをサウジアラビアに引き抜くことに成功した後、クリスティアーノ・ロナウドは別のポルトガル代表チームメイトをアル・ナスルに説得することに注意を向けているという報道もある。しかし、ロナウド自身の影響力をもってしても、フェルナンデスの決意を覆すことはできなかった。
フェルナンデスは創造性とリーダーシップを兼ね備えた現代サッカー界屈指のミッドフィールダーである。彼のパスセンスは芸術的であり、セットピースでの精度は驚異的だ。昨シーズンもプレミアリーグで二桁得点を記録し、アシスト数でもチーム内トップクラスの数字を残している。このような選手がサウジアラビアに流出することは、プレミアリーグ全体にとっても大きな損失となっていただろう。
今回の一件は、サウジアラビアのクラブが持つ圧倒的な資金力の限界を示している。確かに彼らは多くのスター選手を獲得してきたが、真にトップレベルで戦い続けたい選手の心を動かすには、金銭以上の何かが必要なのだ。
アル・ナスルとジョルジェ・ジェズス監督にとって、この夏の補強計画に大きな見直しが必要となった。一方で、マンチェスター・ユナイテッドファンにとっては、愛するキャプテンが残留を選択したことで、新シーズンへの期待がさらに高まることだろう。