4200万ポンドの大損でも売却に前向き?残留希望のホイルンドはマンチェスター・ユナイテッドを離れるのか

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ラスムス・ホイルンドにナポリが熱視線!ユナイテッド退団は時間の問題か Manchester United

デンマークの至宝として鳴り物入りでオールド・トラッフォードに降り立ったラスムス・ホイルンド。しかし、その輝かしい未来予想図は、わずか2年で色褪せてしまった。英『Daily Mail』の報道によると、マンチェスター・ユナイテッドはホイルンドの移籍において4200万ポンドという巨額の損失を被る覚悟で、低い要求価格を設定しているという衝撃的な事実が明らかになった。

2023年夏、アタランタから当初6400万ポンドに800万ポンドのアドオンを上乗せした約7200万ポンドという大金を投じて獲得されたホイルンドは、クラブの救世主として期待を一身に背負っていた。

20歳という若さながら、セリエAで見せた爆発力と、デンマーク代表での活躍は、多くのサポーターの心を躍らせた。アタランタ時代にはセリエAで32試合9ゴールを記録し、若くして欧州の舞台で結果を残した実績は、まさに未来のスーパースターの風格を漂わせていた。

だが現実は複雑だった。プレミアリーグという荒波の中で、ホイルンドの成長は期待値との間で揺れ動いた。2024-25シーズンでは10ゴールを記録したものの、7200万ポンドという投資額に見合う圧倒的なインパクトを残すには至らなかった。

興味深いことに、ホイルンドはプレシーズンで積極的な役割を果たしており、ウェストハム戦では相手守備陣を苦しめる好プレーを見せている。この事実は、選手の潜在能力とクラブの売却判断との間に存在する微妙な温度差を浮き彫りにしている。

ホイルンド売却に隠されたマンUの苦悩

英『Goal.com』が報じた「misfiring striker」(不調なストライカー)という表現は、クラブがホイルンドをどう評価しているかを端的に示している。しかし、ホイルンド自身はRBライプツィヒからのオファーを拒否しており、移籍に対する選手本人の意志は決して単純ではない。

マンチェスター・ユナイテッドの決断は、決して戦力外通告ではない。クラブが直面している財政状況と、チーム再建への強烈な意志の表れでもある。クラブは売却から資金を調達し、さらなる攻撃力を求めて市場に目を向けていると報じられており、ホイルンド売却は新たな攻撃陣構築のための戦略的判断と言えるだろう。

注目すべきは、ACミランがホイルンド獲得に関心を示しているという最新情報だ。さらにインテル・ミランも彼をターゲットにしているとの報道もあり、セリエA復帰の可能性が現実味を帯びている。イタリアでの成功体験を持つホイルンドにとって、活躍した実績のあるリーグ復帰は自信回復の絶好の機会となるかもしれない。

巨額損失を受け入れてでも手放したい理由

では、なぜマンチェスター・ユナイテッドは4200万ポンドもの損失を覚悟してまでホイルンドを手放そうとするのか。その答えは、現在のチーム状況とルベン・アモリム監督の戦術構想にある。

マンチェスター・ユナイテッドはホイルンドの将来についてまだ決断を下しておらず、すべての選択肢がテーブル上にあるとされているが、売却に向けた動きは着実に進んでいるようだ。

アモリム監督が求める攻撃スタイルと、ホイルンドの持つ特性がどこまでマッチするかは、今後のプレシーズンでの活躍次第とも言える。プレミアリーグの激しいプレッシャーと、マンチェスター・ユナイテッドというビッグクラブでプレーする重圧は、若い才能にとって想像以上に重いものだった。

しかし、この移籍話には複雑な側面もある。ASローマは8月まで決断を先送りしている一方で、3000万ポンドは選手にとって妥当な価格設定であり、将来的に投資を正当化するポテンシャルを秘めているとの見方もある。

7200万ポンドという大金を投じた選手を、わずか2年で損切りする可能性は、マンチェスター・ユナイテッドの現状と未来への危機感を物語る象徴的な出来事と言えるだろう。果たして、この若きデンマーク代表はオールド・トラッフォードで新たな輝きを放つのか、もしくは新天地で新たなキャリアに歩むのか。