韓国が生んだ世界的スター、ソン・フンミンが10 年にわたるトッテナムでの物語に幕を閉じ、新たなステージとしてMLSのロサンゼルスFC(LAFC)への移籍へ向けて動き出した。感情と実績が交錯する決断の裏にある確かなビジョンを、最新の交渉状況を踏まえて描き出す。
ソン・フンミンとLAFCが交渉最終段階!8月上旬にも契約締結へ
8月2日に行われたソン自身の記者会見により、彼のトッテナム退団の意思が正式に明らかにされた。所属10年、454試合173ゴール101アシストのキャプテンは「とてつもなく難しい決断」だったと語り、それでもサッカー人生を一歩進めるための環境変化を選んだことを告白している。
トッテナム側もソンの意思を尊重し、移籍を阻まない姿勢を明確にしている。LAFCとの交渉は既に交渉最終段階とされる。移籍金については、MLSの移籍金記録を更新する格式で、当初LAFCが提示していた約2000万ドル前後でまとまる可能性が高まっていると、英『GIVEMESPORT』が伝えた。
トッテナムは8月3日にソンの母国、韓国・ソウルで行われるニューカッスルとの親善試合に彼を起用し、商業収益への配慮から移籍は試合終了後と見られている。
なぜ今、MLSを選んだのか
ソン・フンミンの決定は未来を見据えた結果だ。注目すべきは、金銭以上にプロジェクトとしてのLAFCの魅力を彼が重視している点。MLSでの年俸はリーグ最高クラス、さらにはメッシ級の給与水準に迫る可能性も報じられており、サウジからの巨額オファーを退けたことにも通じる。
さらに、ロサンゼルスに根強く存在する韓国人コミュニティの重みも無視できない要素となっている。ソンの決断には、プロジェクトへの共感と拠点となるコミュニティの存在意義が複層的に影響していることが報じられているそうだ。
そして2026年に北中米開催されるサッカーW杯を控え、米国でプレーする経験が南北米のコーチ陣や環境との接点を広げる絶好の機会とも言える。トッテナムでの成功を経た33歳として、最後のチャレンジを選ぶにふさわしい舞台だ。
ソン・フンミンという稀代のアジア人レジェンドが、欧州を離れて新天地へ挑む決断。移籍金、給与、個人条件、所属するコミュニティ、そして世界戦略といった多層の要素が重なり合い、今まさにその交渉は最終段階にある。