新守護神探しに本腰のウェストハム・ユナイテッド、日本代表GK鈴木彩艶からの路線変更か?

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ウェストハム、鈴木彩艶に接触か?ユナイテッドやチェルシーも注目を寄せる West Ham United

誰よりも静かに、しかし確かに評価を上げ続けてきた男がいる。セリエAで光を放つ鈴木彩艶は、パルマのゴールマウスを守りながら、その実力をヨーロッパ中に知らしめてきた。しかし、その姿を追っていたクラブの一つ、プレミアリーグのウェストハム・ユナイテッドは今、その興味に終止符を打とうとしている。

揺らぐ守備構想、鈴木彩艶との距離が広がる

グラハム・ポッター監督の下で再構築を進めるウェストハムにとって、守護神の補強は急務だった。既存のGK陣は、ポッターの構想にフィットしているとは言い難く、攻撃の起点としても機能する新たな守備の要を求めていた。

その最右翼と目されたのが、日本代表でも活躍する鈴木彩艶だった。浦和レッズからシント=トロイデンを経て、昨夏パルマに加入。ベルギーでの武者修行を経て、今季はセリエAで堂々たる存在感を発揮。すでに日本代表として18キャップを誇る彼には、来夏のワールドカップを見据えてさらに関心が集まっていた。

イタリア紙『Gazzetta di Parma』によれば、ウェストハムの鈴木への関心はここにきて冷めていると報じられている。パルマが移籍金を2000万ユーロ以上に設定し、安売りを拒む姿勢を貫いたことで、クラブ間の温度差が明らかになった。

ウェストハムは7月初旬、選手側と代理人を通じて接触し準備を整えていたが、交渉の進展は見られず、結果的にプレッシャーは和らいだとされる。

パルマは今夏の移籍市場で、鈴木に対するオファーの殺到を予想していたが、その計算も崩れつつある。現時点では、彼がパルマに残る可能性が高まっている。

ターゲットは次の段階へ!ヘルマンセンに熱視線

鈴木彩艶との距離が広がる中、ウェストハムが次なる候補に据えているのが、レスター・シティに所属するデンマーク代表のマッズ・ヘルマンセンだ。すでに交渉が開始されており、獲得に向けた動きは加速している。

昨季のチャンピオンシップでのヘルマンセンは、安定したパフォーマンスと卓越した足下の技術で注目を集めた。守備的な堅実さに加え、現代的なスイーパー型GKとしての資質も備えており、ボール保持を重視するポッターの戦術にマッチする存在といえる。

加えて、かつて注目されていたブラジルのジョン・ヴィクターへのアプローチも、ボタフォゴから2度にわたる拒否を受けたことで頓挫。現時点では、ヘルマンセンが最有力候補として急浮上している状況だ。

ポッター体制のウェストハムにとって、新守護神の獲得は単なる戦力補強ではない。後方からのビルドアップに関与できるGKの存在は、チーム戦術の根幹を支えるものであり、その選定は慎重を極めて当然だ。

鈴木彩艶の評価はまだ上がる余地を残す

今回の撤退劇が示すのは、あくまでタイミングと条件の問題であり、鈴木彩艶の価値そのものが下がったわけではない。むしろ、セリエAでのプレーを続け、ワールドカップという世界最高峰の舞台で結果を出せば、彼の評価はさらに跳ね上がるだろう。

パルマとしても、今後の市場で鈴木を武器にする構えは変わっていない。今夏の放出を見送ったことで、来年以降の移籍金がさらに高騰する可能性すらある。プレミアリーグへの挑戦は延期となったが、それが永遠に訪れない保証もない。

ウェストハムが今、別の方向へと舵を切るのは確かだが、鈴木彩艶という名が再びそのレーダーに引っかかる日が来るとしたら、それは彼がゴール前で静かに進化を遂げた証でもある。