サンテティエンヌが2000万ユーロ要求!スリコ・ダヴィタシュヴィリ獲得にレンヌ、エヴァートンら激突

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サンテティエンヌが2000万ユーロ要求!スリコ・ダヴィタシュヴィリ獲得にレンヌ、エヴァートンら激突 Everton

ユーロ2024でジョージア代表史上初のベスト16進出の立役者となった24歳のウィザードが、2部リーグでの屈辱を断じて受け入れようとしない。サンテティエンのスリコ・ダヴィタシュヴィリが仕掛けた移籍騒動は、いまや欧州6か国のトップクラブを巻き込む大乱戦の様相を呈している。リーグ1陥落という現実に背を向け続けるジョージアの至宝は、クラブとの溝を日々深めながらも、レンヌからエヴァートン、そしてベシクタシュまで、幅広い求愛を一身に受けている。

昨夏、ボルドーから600万ユーロという決して安くない移籍金でサンテティエンの門を叩いたスリコ・ダヴィタシュヴィリ。蓋を開けてみれば、デビューシーズンで9ゴール8アシストという文句なしの数字を叩き出し、リーグ1でも指折りのゲームチェンジャーとしての存在感を見せつけた。ところが、クラブの降格決定が全てを変えてしまう。2028年まで続く契約という枷に縛られていようとも、自身の黄金期をリーグ2の泥沼で浪費することだけは御免だという強烈な意志を貫いている。

仏『Foot Mercato』が伝える最新情報によれば、スリコ・ダヴィタシュヴィリはクラブの執拗な残留圧力に対してもはや我慢の限界に達しており、両者の関係は修復不可能なレベルまで悪化している。カナダ人オーナーのキルマー・スポーツ・ベンチャーズが描く長期戦略と、選手個人が抱く現実的な野心が真正面からぶつかり合っている。

6か国のクラブが繰り広げる国際争奪戦の内幕

スリコ・ダヴィタシュヴィリを取り巻く移籍戦線は、もはや欧州サッカー界の縮図と言っても過言ではない複雑さを見せている。フランス勢からはスタッド・レンヌとストラスブールが早々に手を挙げ、スペインからはセビージャが熱い視線を送る。ドイツではボルシア・メンヒェングラートバッハがブンデスリーガでの飛躍を約束し、プレミアリーグからはエヴァートンが本腰を入れた。さらにトルコのベシクタシュとポルトガルのスポルティング・リスボンまで参戦し、まさに国際色豊かな争奪戦が展開されている。

これほど多彩なリーグから熱烈なラブコールが届くのも、スリコ・ダヴィタシュヴィリの稀有な才能あってこそだ。基本ポジションはウィンガーながら、攻撃的ミッドフィルダーとしても水を得た魚のようにプレーする。狭いエリアでのボールタッチの巧みさと、ここぞという場面での勝負強さは、どのリーグに行っても通用する普遍的な武器だ。昨季のオセール戦では、ジョージア人として初めてリーグ1でハットトリックを決め、その美技のひとつは月間ベストゴールに輝くという離れ業を演じてみせた。

エヴァートンにとって、スリコ・ダヴィタシュヴィリ獲得はプレミアリーグでの足場固めに直結する重要ミッションだ。創造性に乏しい攻撃陣の救世主として、ユーロ2024でスペインという格上相手にも物怖じしなかった胆力は何よりの魅力となる。一方、レンヌやストラスブールといったフランス勢は言葉の壁がないアドバンテージと、すでにリーグ1で結果を残した実績への安心感を前面に押し出してアタックをかけている。

だが最大のハードルは、サンテティエンが突きつけた2000万ユーロという法外な要求額だ。市場価値1000万ユーロの選手に対して倍プッシュという強気すぎる値付けは、クラブの絶対に手放したくないという執念を如実に表している。

サンテティエンの計算とスリコ・ダヴィタシュヴィリの反逆

サンテティエンの頑として動かない姿勢には、感情論を超えた冷徹な戦略が隠されている。カナダ系オーナーの懐の深さを背景に、クラブは1年でのリーグ1カムバックを至上命題として掲げている。スリコ・ダヴィタシュヴィリとルーカス・スタッシンという2本柱を死守することで、リーグ2での圧倒的戦力格差を作り上げ、昇格レースを制圧したいという魂胆だ。

興味深いのは、クラブが選手の人生設計よりも組織の都合を露骨に優先している点だ。サンテティエンは金額や移籍先に一切関係なく、スリコ・ダヴィタシュヴィリの放出は絶対にしないと明言している。2028年6月まで続く長期契約を盾に、選手の交渉カードを完全に封じ込める作戦に出ているのだ。

しかし選手サイドのフラストレーションは既に限界突破状態だ。ユーロ2024でジョージア代表の歴史的快挙に貢献した24歳にとって、人生で最も脂の乗った時期をリーグ2で棒に振ることなど到底受け入れられない。スリコ・ダヴィタシュヴィリが「欧州大会に出場する1部クラブでプレーしたい」という明確なメッセージを発信しており、もはや後戻りできない覚悟を示している。

興味深い事実として、昨年ボルドーからの移籍時、スリコ・ダヴィタシュヴィリは2部での経験を糧にリーグ1での成功を誓っていた。その野心が今度は皮肉にも、古巣との全面戦争の火種となっている。

ジョージア代表46キャップを誇る経歴と6ゴールの実績を持つスリコ・ダヴィタシュヴィリの行方は、移籍市場の最終盤まで予断を許さない展開が続きそうだ。