17歳のディフェンダーが、スタンフォード・ブリッジの未来を変えるかもしれない。英『Football Insider』が報じたところによると、チェルシーはアヤックスの若手センターバック、アーロン・バウマンの獲得に向けて本格的な動きを見せている。
エンツォ・マレスカ監督が就任から1年で築き上げた若手重視の哲学が、ここにきて新たな展開を迎えようとしている。
昨シーズンのプレミアリーグトップ5入り、ヨーロッパカンファレンスリーグ制覇、そしてクラブワールドカップでのPSG撃破と、目覚ましい成果を収めたチェルシー。しかし、レヴィ・コルウィルの長期負傷という思わぬ誤算が、移籍市場での戦略に新たな緊急性をもたらしている。
マレスカ監督が狙う次世代の至宝、バウマンとは何者か
アーロン・バウマンという名前は、まだ多くのサッカーファンにとって馴染みがないかもしれない。だが、アヤックスの育成システムから輩出されたこの17歳のディフェンダーは、既にオランダ国内では次世代を担う逸材として注目を集めている。
最近のプレシーズンマッチ、コモ・カップでのセルティック戦では、5-1の大勝に貢献する素晴らしいゴールを決めた。センターバックでありながら攻撃参加を厭わず、現代サッカーに求められる多機能性を17歳にして体現している。これこそが、マレスカ監督がバウマンに注目する最大の理由だろう。
チェルシーは既に今夏、同じアヤックスからヨレル・ハトを獲得しており、オランダの名門との良好な関係を築いている。バウマンの獲得においても、この人脈が大きなアドバンテージとなることは間違いない。同紙によれば、チェルシーは獲得競争の先頭に立ちたいと考えており、バウマンの進捗を継続的に追跡している状況だ。
マレスカ監督が構築した非常に若いチームは、コール・パーマー、リース・ジェームズ、モイセス・カイセドといった選手たちが模範となることで、新たな若手選手にとって理想的な環境を提供している。
コルウィル負傷が加速させるチェルシーの守備陣再編計画
チェルシーの守備陣は確かに層が厚い。しかし、レヴィ・コルウィルが数ヶ月間の離脱を余儀なくされている現状は、マレスカ監督にとって大きな計算違いとなった。開幕直前というタイミングでの主力選手の長期離脱は、どんなクラブにとっても痛手だが、特に若手中心のチーム構成を採るチェルシーにとっては深刻な問題だ。
ウェズレイ・フォファナの負傷からの復帰は朗報だが、それだけでは不十分だろう。ママドゥ・サールが2025/26シーズンにストラスブールへのローン移籍を決めたことも、守備陣の人数的な不安を増大させている。バウマンの獲得は、まさにコルウィルの穴を埋める理想的な補強となる可能性が高い。
興味深いのは、チェルシーがバウマン以外にも積極的な動きを見せていることだ。マンチェスター・ユナイテッドのアレハンドロ・ガルナチョ獲得に向けても交渉を進めており、合意には1000万ポンドの評価額引き上げが必要とされている。ガルナチョもまた、チームにさらなる若さをもたらす存在として位置づけられている。
昨シーズン序盤、サポーターがマレスカ監督のプレースタイルに不満を抱き、相当なプレッシャーにさらされていた状況を考えれば、現在の成功は劇的な転換と言える。プレミアリーグでの安定した成績、ヨーロッパでのタイトル獲得、そしてクラブワールドカップ制覇という実績が、マレスカ監督の手腕を証明している。
果たして、チェルシーはアヤックスから17歳のディフェンダーを引き抜くのか。